過度な育休や時短は、キャリアアップの妨げに ガラパゴス化している、日本の女性活用【第1回】

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米国や主なアジア諸国は、日本の育休や時短勤務制度のような手厚い制度はない。だが、終身雇用がない分、労働市場は流動化しており、自分の能力レベルの転職市場での職場選びは、それほど難しいことではない。

このように米国やアジアでは育児休業や時短勤務はないし、またあったとしても非常に限定的だ。だが、日本のような問題は起こっていない。つまり「育休・時短勤務による仕事への支障」は、日本だけが抱えている特有の課題なのだ。ちなみに上記のアジア諸国の女性管理職率は欧米並みに高く、国際競争力ランキング(IMD)も日本よりはるかに高い。

日本はこのような状況を解決しないと、将来的に問題は拡大し、企業のグローバル競争力にも影響が出る恐れがある。直接的間接的コストが発生する両立支援を、どのようにすれば企業メリットにつながるかをしっかり問わなくてはいけない時期に来ているのだ。

ガラパゴス化している、日本の女性活用【第2回】

ガラパゴス化している、日本の女性活用【第3回】

ガラパゴス化している、日本の女性活用【第4回】

(撮影:梅谷 秀司)

パク スックチャ アパショナータ代表&コンサルタント

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パク スックチャ

アパショナータ代表&コンサルタント ダイバーシティ(多様性)/ワーク・ライフ・バランス 日本生まれ、韓国籍。米国 ペンシルバニア大学経済学部BA(学士)、シカゴ大学 MBA(経営学修士)取得。米国と日本で勤務後、日本で米国系運輸企業に入社。同社にて日本・香港・シンガポール・中国など、太平洋地区での人事、スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手がける。2000年に退社し、日本で最初にワーク・ライフ・バランスを推進するコンサルタントとして独立。企業での社員の意識改革、働き方改革及び教育研修に携わる。同時に、米国とアジアに精通したグローバルな経験を生かし、ダイバーシティ(多様性)推進に力を注ぐ。企業にもメリットをもたらす手法で進める在宅勤務導入コンサルティングで成功実績を出し、企業での在宅勤務(テレワーク)も専門とする。著書『アジアで稼ぐ、「アジア人材」になれ!』(朝日新聞出版)、『会社人間が会社をつぶす−ワーク・ライフ・バランスの提案』(朝日選書)など。 http://www.worklifebalance.co.jp/

 

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