国内リストラが続く、自動車部品の苦悩 国内事業の縮小が課題

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業績堅調でも希望退職募る

ホンダ系で足回り部品を手掛けるエフテックは、この3月に国内事業で150人の希望退職を募る。

エフテックの13年3月期は小幅ながら増収増益の見通し。だが、好調なのは海外事業で、国内事業は第3四半期まで赤字が続く。国内事業の回復は見込めないため、抜本的な事業構造改革に踏み切る。

国内主力工場の一つだった亀山工場(三重)の減損を実施した。亀山工場は、もともとホンダの鈴鹿工場(三重)に普通車用部品を供給していた。が、国内市場で普通車販売が低迷、軽自動車ばかりが売れる状況に、ホンダが鈴鹿工場をほぼ軽専用に変更したことで、亀山工場の稼働も落ち込んでいた。

亀山工場そのものは存続させるが、久喜工場(埼玉)と生産集約を進める方針で、国内の生産能力の削減が進む。

一方、従来国内が担っていた営業や開発、生産技術について、北米や中国、タイなどの各地域の機能を強化する。そのため、4月には国内から約60人を各地に駐在員として派遣。本社組織は統廃合する。

「海外の各拠点は自己完結させ、日本からはサポートしない」(豊田正雄・取締役常務執行役員)。国内でも一定の生産量を維持できた時代は、海外支援のコストを本社が負担しても収支を合わせることができた。しかし、国内生産量の減少で、もはや本社にその余裕はない。

このほか、「2工場体制となっている栃木地区の能力余剰が課題」と認めるのは、プレス大手のユニプレス。具体的な能力削減策は打ち出されていないものの、早晩国内生産体制の見直しを迫られよう。

自動車部品業界は海外投資を積極化させる一方で、国内拠点の余剰にますます悩みを深めている。

(撮影:尾形文繁)

(週刊東洋経済2013年3月16日号)

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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