「初めて出会う日本酒」の味を大体見抜く方法 難しい漢字の羅列も「翻訳」すればカンタンだ

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【無濾過(むろか)】

旨味をはじめとした雑味が多い、飲みごたえのある黄色いお酒。

「清酒」と呼ばれている透明な日本酒は、仕上げ段階で活性炭素、カンタンに言えば炭の粉を入れて濾過しています。できたばかりの日本酒は黄色みがかっているのですが、色味や雑味(旨味含む)を吸着した炭の粉ごと漉されるため、クリアなお酒になるわけです。

というわけで無濾過とは、「活性炭素を使って濾過していない」ということ。旨味を含めた雑味が残るため、飲みごたえが出ます。

ロックもいけちゃう「無濾過生原酒」

【無濾過生原酒(むろかなまげんしゅ)】

とにかく「濃醇」、そのひと言。

そのまんまですが、「生酒」+「原酒」+「無濾過」=「無濾過生原酒」。火入れせず、加水もせず、活性炭素も入れずに、濃醇になる要素を「全部乗せ」してつくられた、「淡麗辛口」の正反対の味です。

日本酒はストレートで飲むのが一般的ですが、アルコール度数が高く味も濃厚な無濾過生原酒は、ロックもいけます。氷が少しずつ溶けて「加水」と同じ役割を担い、飲みやすくなるのです。

【山廃(やまはい)&生酛(きもと)】

ヨーグルトのような酸味が「ワインっぼい」と女子にも人気。

どちらも昔からのこだわりの製法でつくられていますが、少しマニアックになりますので、ここでは割愛します。味は、わずかに山廃のほうがコクが強いものの、実は大きな差はありません。

まずはシンブルに理解してもらうためにあえて言い切れば、山廃と生酛の味はだいたい同じと思ってもらってけっこうです。

……いかがでしょう? これまで「難しすぎる!」「なんとなくしかわからなかった」という皆さんにも、もう一歩踏み込んで日本酒を楽しんでいただければうれしい限りです。

山口 直樹 ソムリエ、酒匠、バーテンダー

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やまぐち なおき / Naoki Yamaguti

1981年11月東京生まれ。高級フレンチレストランスタッフ、一流店のバーテンダーなどの経験を経て、当初は「ワインソムリエ」有資格者として活躍。日本酒にも精通し、世界に300名ほどの「酒匠(さかしょう)」の資格を取得。「日本酒学講師」などの肩書で各種メディアに登場し、日本酒のスペシャリストとして活躍中。

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