資生堂、社長交代のチグハグ 前田会長が兼務で復帰へ、会見を全掲載

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――きっかけは?

末川社長 昨年ぐらいから体調に不安に覚え、(具体的には今年の)2月ぐらいから。さまざまな問題もあったが、自分自身で考え、実行していきたいという気持ちはあるものの、体力的に継続できないということを感じた。社長業は1分1秒で判断しないといけない激務。それを自分で継続することはできない。それよりも強いリーダーシップを持って社長経験もあり、二人三脚でさまざまな改革を進めてきた前田会長にお願いすることにした。

左の質問を受けて、前田会長(右)は一瞬言いよどみ、その後の発言を末川社長に任せた

――末川さんでも前田さんでもない人が社長になってもいいのではないか。

前田会長 先ほど末川さんの話にあったとおり。

末川社長 後任については役員諮問委員会でも何度も話があった。資生堂は難局に立たされている。そのためには豊富な経験と強いリーダーシップがあることと、今進めている経営改革とか、全体経営についての理解があること、さまざまなことを含めて。

「すべてのステークホルダーに申し訳ない」

――末川さんの健康問題ということだが、業績予想を何度も下方修正していて、社長就任2年での交代で、会長が社長に復帰する。外から見るとゴタゴタしている印象を与えかねない。

末川社長 私の健康上の理由とはいえ、志半ばで辞任することは、すべてのステークホルダーに申し訳ないと思っている。この難局を社員が一丸となって乗り切る。そういう意味で重責を前田会長に引き継いでいただく。

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