白川日銀、最後の会合で起きた「異変」

「黒田新体制」へ地ならしが始まった?

白川方明日本銀行総裁としての最後の金融政策決定会合が3月6~7日に行われた。金融政策は政策金利をゼロ~0.1%とする現状維持。海外経済の持ち直しの動きや国内の公共投資増加、住宅投資の持ち直し、個人消費の底堅い動きなどを反映し、これまで「下げ止まりつつある」としていた景気判断を「下げ止まっている」と一歩前進させた。

黒田新体制への地ならし?白井委員の唐突な提案

金融政策は現状維持だが、目を引いたのは、白井さゆり委員が会合の中で提案した議案だった。白井委員は、現在、金融緩和のツールとして使っている「資産買入れ等基金(基金)」を通じた長期国債の買い入れと、それとは区別して位置づけている「国債買入れオペ」の2つを統合するように提案した。

 基金を通じた長期国債の買入れは、長めの金利の低下を図る目的で行われており、日銀は「臨時の措置」と位置づけている。一方の国債買入れオペは、「日銀の負債である銀行券の発行残高に合わせて、長期の資産である長期国債を保有することが合理的」といった理由で、銀行券の発行残高の範囲内で長期国債を買い入れる、いわゆる「日銀券ルール」という自主ルールに基づいた通常のオペレーションだ。この運営方針によって、日銀の国債買入れオペを通じた長期国債買入れは、あくまで安定的な資金供給を目的としたもので、国の借金の手助けとみられる財政ファイナンスを目的とするものではないとしてきた。

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