リオ五輪にしらけムードのテレビ関係者たち メダルラッシュと長時間放送の裏で何が?

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ドラマ制作に関わるスタッフにとって、夏ドラマの担当になったのは、まさに「貧乏くじをひいた」ようなもの。実際、某局のドラマプロデューサーは、「できれば春ドラマか秋ドラマをやりたかった」と私に本音を漏らしていました。

負け戦を覚悟しつつも、さまざまな対策を施して臨んだところ……、彼らテレビマンが求める視聴率は惨敗。夏ドラマの全作品が1ケタ視聴率を記録してしまうなど、歴史的低視聴率にあえいでいます。

この結果に胸を痛めているのはスタッフだけではなく、キャストも同じ。「芝居でベストを尽くすだけ」と思っていても、低視聴率と話題の乏しさにショックを受ける俳優は多く、とりわけ主演やそのマネージャーの「リオ五輪がうらめしい」という声が私のもとにも届きました。

深夜の中継が心身を疲れさせる

ドラマ関係者が間接的な影響を受ける一方、直接的な影響でしらけムードになっているのは、情報番組やワイドショーの関係者。「エッ? あんなに長い時間をかけて扱っているのに、何でしらけているの?」と思うかもしれませんが、問題はまさにそこなのです。

「とくダネ!」(フジテレビ系)の小倉智昭さんのように、毎回五輪開催地に乗り込んで取材をするキャスターを除けば、大半の出演者とスタッフは何かしらのやるせなさを感じているもの。特に8~10時と14~16時のワイドショーは、放送時間の7~8割をリオ五輪が占め、他のニュースや情報はわずかしか扱われないなど、スポーツへの興味が薄い出演者とスタッフにとっては何ともつらい時期なのです。

特筆すべきは、基本的に「無理矢理にでもテンションを上げて盛り上げなければいけない」立場のキャスターと女性アナウンサー。そもそも、普段は多くの深刻なニュースを扱う彼らが、生放送の番組でハイテンションを保ち続けるのは精神的な負担が大きく、終了後にドッと疲れが出るものです。

さらに、生放送の前に、「深夜からに昼かけて競技中継を見ておかなければいけない」のも大きな負担。その不規則な生活が毎日続くことを負担に感じている出演者やスタッフが多いようです。

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