いよいよ新たな上昇局面に入った日本株 日経平均だけでは、相場はわからない

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その意味では、一部の銘柄の値動きが大きく反映されることを極力排したTOPIXがやはり10年4月につけたリーマンショック後の戻り高値1001.77ポイントを抜けるかどうかが大きな焦点だった。そのTOPIXが、日経平均にはやや遅れたものの、6日、ついに1003.22ポイントで引け、リーマンショック後の戻り高値を更新した。これは、いよいよ日本株全体が、新たな上昇局面に入ったことを示唆することになる。

DZHフィナンシャルリサーチの日本株情報アナリスト・東野幸利氏は、「重要なフシ目を抜くのは画期的なことだ。調整をはさみながらも、日本株の上昇トレンドは継続する可能性が高い」と言う。米国の財政支出の抑制、中国の不動産規制の動向、イタリア政局の不透明化など懸念材料はあるものの、こうしたいま目に見えている悪材料は、株式市場ではさほど不安視されていない。東野氏は、「大きな調整があるとすれば、これ以外に新たな悪材料が出てきた時。たとえば米国債の格下げなどの話が出れば、ネガティブサプライズとなるだろう」と見ている。

「相場は懐疑の中で育つ」という格言があるように、いつ来てもおかしくはない調整を心配しながら、しばらく上昇トレンドは続きそうだ。

「株式ウイークリー」編集長 藤尾明彦

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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