カリスマ投資家、ニッセン株カラ売りの理由 親会社の完全子会社化では交換比率に要注意

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【8月10日(水)】昨日、ストップ高で引けたユニマット リタイアメント・コミュニティは、早くも12円安の676円。1ドル101円台と円高進むが、日経平均は29円安の1万6735円と小反落。日銀は前回と同額(707億円)のETFの買い入れをしたと発表。底堅かった理由がわかった。

【8月11日(木)】初めての祝日(山の日)で休場。

【8月12日(金)】NYダウは117ドル高の1万8613ドルと最高値更新、小売決算を好感。値上がり目的保有銘柄のリソー教育(4714)が9時54分、21円高の493円を付け年初来高値(7月20日に付けた473円)を更新。しかし、終値は8円安の464円。後場、126円でカラ売りしていたニッセンを69円で1万株買い返済し、55万1208円の利益確定。セブン&アイの株価は62円高の4464円と反発しており、理論価格からすると69円は2円高いのだが、返済を優先。日経平均は184円高の1万6919円と反発した。

完全子会社化の交換比率に要注意

【8月13日(土)】午前5時半、日経225先物は100円安の1万6820円と大幅安。NYダウは37ドル安の1万8576ドル。1ドル101.248円、1ユーロ113.038円。私がストップ高買い気配で張り付いているニッセンをカラ売りした理由は、過去の経験則からだ。M&Aで企業を買収する時は、プレミアムが付くことが多いが、子会社を救済する意味合いでの株式交換での完全子会社化では、プレミアムが付くどころか交換比率が悪いということを知っていたから。

もう13年ほど前になるが、オンワードホールディングス(8016)がオークを完全子会社化した時、オーク株を保有していたが、オーク株1000株がオンワード50株と株数が20分の1になった。2006年4月、豊田通商(8015)が商社のトーメンを完全子会社化した時も今回と同じく、完全子会社化の報道があってトーメン株は買われたが、2日後交換比率が発表されて急落した。この時もトーメン株をカラ売りして成功している。株式投資を初めて31年になるが、長年相場を観察していると、マーケットが間違えて反応していることが見えてくることもある。

内田 衛 カリスマ投資家

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うちだ まもる / Mamoru Uchida

個人投資家。高校時代から株の取引を開始。平成バブル崩壊で多額の借金を背負うが、自力で全額返済して大復活。大学卒業後、大手生保勤務後、フリーに。FP資格を持つ。現在の運用資金は3億円以上。株式投資では中長期、低位株投資が基本。株式のほかに、株の利益で収益不動産投資も行う。2007年8月からは『オール投資』(現在休刊)で5年以上にわたり投資日記を連載、大人気を博す。

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