“ユニクロの妹分”ジーユー、世界へ ブランドロゴ一新、売上高1000億円も射程に

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13年春夏事業戦略説明会に臨んだジーユーの柚木治社長

12年には銀座・中央通りに旗艦店を出店し知名度を一気に高めた。同年は「ゆるパン」、「マキシワンピース」などファッション性の高い商品も好評を博し、ユニクロのベーシックカジュアル路線との差別化にも成功した。近年は、柳井会長に「気持ち悪いぐらい絶好調」と言わしめるほどの存在となっている(12年10月の決算説明会)。

今年度の上期(12年9月~13年2月)も、ジーユーの既存店売上高は前年同期比2割増程度で推移。13年春夏商戦からはさらに低価格路線をすすめ、「レギンスパンツ」や「クロップドパンツ」などの990円商品の品目数を、昨年と同時期の1.5倍に広げ、「ジーユー=990円」というイメージ定着で拡販を狙う戦略だ。

新ロゴは海外を意識

そのジーユーが次なる成長の機会を求めるのが海外。国内で親しまれた「g.u.」ロゴを「GU」へと思い切って刷新するのも、海外でのブランディングを意識した戦略であろう。

有力な進出地はアジアだ。アジアは先行するユニクロが成功している地域。ユニクロは欧米事業が冴えない中でも中国、韓国などのアジアは、中国の反日デモや景気減速といった懸念要因を吹き飛ばして成長しており、グループ全体の売上高計画の上方修正要因となっている。

とくに、ユニクロが海外で最多出店している中国(12年11月末時点で174店)では、現地経済誌のブランドイメージ調査で「ZARA」や「H&M」など、世界的な強豪を抑え、1位に輝いている。今回、ジーユーが海外進出の前倒しに意欲を見せているのも、ユニクロがアジアで成功事例を残していることが大きいだろう。

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