「4種類の集中」を知る人はガス欠にならない 目標設定は人間の脳を刺激する有効な方法だ

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6つ目の「プランニング」も、前項の「集中」と同様、システマティックな考え方と手法が紹介されており、ゴルフのみならず、日常生活や人生にもそのまま応用できる内容だ。ラードン博士がゴルファーに「なぜメンタル面を向上させたいのですか?」と尋ねると、大半は「一段階上のレベルに進みたいから」と答えるそうだ。

博士は「スイングであれ、メンタルゲームであれ、何かを向上させるためにはプランすることが必要。計画性なく、むやみに練習して上達し損なったり、できることだけを頼りにプレーしたりというのは得策ではありません。目標を設定する必要があります」と強調している。

そして、その目標は「プロセスにおける目標」「結果としての目標」の双方を「長期的」と「短期的」に設定することが効果的。

「人間の脳を刺激するのにもっとも有効な手段が、この目標設定。もっとがんばろうというモチベーションが持ち続けられ、目標達成へ近づいていけるのです」

練習や鍛練を積んだうえで「忘れる」

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これら6つの心理的要素は「プレショット・ピラミッドのブロックであり、ショットに臨む際の心とからだのあり方の土台にもなります。それぞれのブロックの作り方、使い方がわかっていれば、いざショットに挑む際、クリアな気持ちで集中できます。あとはプランしたとおりに実行するだけでいいのです」とラードン博士は力説し、実際にブロックを積み上げる手順として3つのステップを紹介している。

ショット前のピラミッドの底辺部分が「ステップ1」。これは風やライ、弾道といった要素を左脳でまとめる「ショットの計算」。「ステップ2」は、ステップ1で計算して得たものをもとに、ビジュアライゼーションによる心の目や感覚で「ショットをクリエイトする」。「ステップ3」は、ステップ1で計算し、ステップ2でクリエイトしたものを、いよいよ「実行する」わけだが、その際、肉体をどう動かそうといったことを頭で考えることなく行える状態、博士いわく「内なるマインドによって肉体が動く状態に導いて実行することが大事」だという。

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