トヨタ株6400円超えれば「日本株」が変わる 8月トレンドを先取りする「お盆週」の騰落率

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というのも、体系化されたチャートに「エリオット波動」というものがあります。強気相場の5波動と弱気相場の3波動で1つの相場のサイクルが構成されるという理論で、1年から4年程度の規模で発生するのがプライマリーサイクル。要するに、キチンサイクル(在庫投資による景気循環)に呼応する、景気拡大と景気減速を合わせた単なる1局面です。10年規模のサイクルが発生しているとした場合、現在はそこに内包されているより小規模のサイクルが終わり、新しいサイクルが始まろうとしている局面の可能性があります。

お盆の週に上昇するか、下落するか

さて、これからお盆に入っていきます。お盆(8月13日-16日)を含む週の騰落と、8月の騰落(陰陽)には面白い関係があったのをご存知でしょうか? 右表をご覧ください。2000年~2015年までの16年間、日経平均株価がお盆の週に上昇すると8月の月間のローソク足は陽線(始値よりも終値が高い)になる、お盆の週に下落すると8月の月間のローソク足は陰線(始値よりも終値が低い)になる傾向が強く出ています。アベノミクス相場に勢いがあった2013年と2014年は「番狂わせ」がありましたが、2012年までは見事にそうだったようです。

上の画像をクリックすると、日本テクニカルアナリスト協会のHPにジャンプし、無料で申し込めます

はたして来週の相場はどうなるか? というよりも、トヨタ自動車が6400円あたりを超えてくると、チャート上では「新値10本足」という中期トレンドをみる指標が大転換します。そっちの方が断然、日本株買いへの重要なサインになるでしょう。

さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編①)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編に続く冊子です。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編とあわせて2冊申し込むことも可能です。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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