ファミマ、外部からトップを招いた理由 海外で百戦錬磨、伊藤忠出身の中山・新社長に聞く

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――付加価値とは?

それはお客様が決めることで、僕らには決められない。お客様に「価値がある」と思っていただけるものです。食べ物だったら“おいしい”ことに加えて、“得したな”と思ってもらえるもの。それはボリュームなのか、新しい味なのか。お客様の要求はどんどん変わっていく。そのスピードに僕らがついていけるかというところですね。

僕は料理が好きですけど、いくら僕が「うまい」と思う酒のつまみを作ったって、うちの娘たちは「脂っこくて、しょっぱい」といって食べない。同じように、いくら社内で盛り上がって作っても、お客様に受け入れられなかったら意味がない。しかも、お客様の感性は日々変わっていく。昨日のデータでは、今日売れる商品を作ることはできません。

泊まり込みで1週間の研修を受ける

――加盟店との関係作りも重要?

うちの社員や、これから加盟する方は全員、泊まり込みで1週間の研修を受けることになっているのですが、僕はまだそれをやっていない。決算発表が終わり、まとまった時間が取れる5月ごろになったら、研修に参加しようと思っています。これから開業する人と机を並べて。試験があるんですって! まさか落ちるわけにはいきませんよね。その後、実際に店舗での研修もします。お店に立ちますよ。お便所掃除もします。発注は……チョンボするとまずいから、やらせてもらえないかも(笑)。

――料理が趣味ということですが、得意料理は?

僕、主婦ができるんですよ。朝ごはんに味噌汁や卵焼きを作ったり、前の晩の残った鍋のスープをリメイクして、何かのスープにするとか。昼は冷蔵庫にある野菜でチャーハンを作るとか。夕飯は、ブリがおいしそうだから照り焼きを作るか、とかね。僕をお母さんにするとおいしいものが食べられます! ちょっと味は濃いですけど。

――同じく料理がお得意な上田会長は、「社長のごはん」「会長のごはん」シリーズで商品を出されています。会長、社長対決は?

会長は板前タイプ。あれで食っていけると思うんですよ。僕は主婦ですからね。商品としてお出しするのは、とっても申し訳ないと思っています(笑)。

(撮影:梅谷 秀司)

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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