マルハンがゴールドマン破り、太平洋ク獲得へ <速報>名門ゴルフ場争奪戦、パチンコ首位が王手

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GKが調達した200億円の内訳は、約60億円が3社の出資、残る140億円があおぞら銀行からの借り入れである。したがって、「GKの担保はあおぞら銀行に質入れされており、GKの債権は実質、あおぞら銀行から調達した140億円だけではないか」というのが会員組織側の主張だ。この主張を管財人が受け入れれば、GKの回収額はさらに減る可能性があった。

逆の見方をすれば、アコーディアが民事再生手続のスポンサーに指名された時点でGKから債権を買ってしまわなかったことが、アコーディアの敗因だったといってもいい。

スポンサー正式決定は4月22日

かつてのGS、そしてアコーディアの買収部隊であれば、当然、そうした行動に出ていたことだろう。かつてGSの買収部隊を率いていたのは、ほかならぬPGMの神田社長である。だが、その神田社長が今回、PGMのトップとして、「GKの債権買収に動いた形跡がない」(太平洋クラブ関係者)という。

会社更生手続の途中で、債権者が自らの債権を第三者に譲渡すること自体に違法性はまったくない。とはいえ、手続の全体を仕切る管財人にとって、当事者の顔ぶれが突然変わりかねない債権者の交代は、決して歓迎できるものではないはずだ。

太平洋クラブのスポンサー候補に突如名乗りを挙げたGSが、まっしぐらにGKの債権を買いに向かい、マルハンと一騎打ちになった可能性は十分にある。が、仮にそうだったとしても、真相は今のところやぶの中にある。

いずれにしても、マルハンを推す会員組織にとって、マルハンが担保権取得に成功したことは朗報だろう。GSはここからどう巻き返すのか。補欠と見られるPGMに再度の出番はやってくるのか。さらには、いまだナゾのままになっている、3番目の1次入札通過者はどこなのか。

スポンサーの正式決定は4月22日である。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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