なぜ「IS」の残忍性は、増し続けているのか

85歳の司祭はミサ中に惨殺された

7月26日、フランス北部ルーアン近郊の町で男2人がカトリック教会を襲撃し、人質となった神父1人が喉を切られて殺害された。写真は事件現場となった教会。(写真: ロイター//Pascal Rossignol)

先月、フランスのルーアン郊外の教会でカトリックの司祭ジャック・ハメルがミサ中に殺害された。この事件が示すのは、今日の民主主義社会が直面している最も過酷な課題は過激派組織の「イスラム国(IS)」だということだ。

この事件は2つの大きなタブーを破った。ひとつは司祭が祭壇で跪いているときに殺害されたこと。教会は聖域で、中世から17世紀を通じて安全な場所とされていた。もはやそのような効力はなくなったが、概念が破られたことは衝撃的だ。

時代を問わず、これまでにも大勢のカトリックの司祭が殺害されてきた。プロテスタント教徒 (カトリック教徒もまた、プロテスタント教徒を殺害)、イスラム教徒、共産主義者、ナチスの手によって殺された。しかし、夏の朝に郊外で起きた今回の残虐な殺人は、即時にニュースメディアにより大きく取り上げられたことで、かなりの動揺をもたらしている。

85歳の司祭に手をくだす残虐ぶり

二つ目のタブーは年齢だ。司祭は85歳だった。通常75歳で司祭職を退くが、彼は任務を続ける許可を得ていた。

不特定多数を銃撃する、あるいは、先日ニースで起きた、トラックで突っ込み可能な限り多くの人を殺害するような事件では、年齢は関係ない。こうした大量殺人の手法は人々の恐怖を薄くする。だが、ハメル神父の事件では、恐怖は鮮明だ。殺害の方法は喉を掻き切るという、暗殺者のやり方だった。

殺害を行った2人の青年はその場面を撮影した。血まみれの自撮りがその姿を伝えている。しかし、彼ら自身は警察により射殺されたため、それを見ることはなかった。

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