昭和史から問う「二大政党制は終わったのか」

いまこそ甦らせたい戦前、普通選挙時代の夢と教訓

もはや熱気なき、「政権再交代」の後だからこそ

著者:與那覇潤(歴史学者、愛知県立大学准教授) 撮影:今井康一

結果は劇的だが、感動はむしろ冷めている――こんな選挙も珍しいのかもしれない。

昨年末の衆議院総選挙、自民党は公明党と合わせて325議席の圧勝で「政権再交代」を果たした。

一方で多くの政治学者が指摘するように、比例区での自民党の得票数は、惨敗して民主党に政権を譲った2009年よりも少ない(得票率でも27%)。積極的に自民党政権が望まれたわけではなく、首相に返り咲いた安倍晋三総裁の言行も、その自覚ゆえか、かつての組閣時に比べるとだいぶ控えめである。

この熱気なき大勝利を自民党にもたらしたのは、ひとえに民主党政権の失速だった。前回は民主党に投じた無党派層が棄権した上(全体の投票率は10ポイント減)、新党の乱立で非自民票が分裂した結果、得票数1位でないと当選できない小選挙区を自民党が席巻した形である。

第二党に転落した民主党と、第三党に躍進した日本維新の会はともに50議席台で、その差はわずか3議席。もはや二大政党時代は終わった、との声さえ聞こえ始めている。

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