日産"ブラジル子連れ赴任ママ”、腹の決め方 1歳、7歳を連れ、いざ地球の裏側へ

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乳飲み子を抱えながら、社運を賭けたプロジェクトメンバーになるなんて無理――。そう思う人も多かろう難題だ。

だが、小林さんは「プロジェクトに穴をあけたくない」と、子どもの認可保育園入園を待たずに8か月で復帰。短時間勤務制度(時短)も取得しなかった。

「時短を取って早く帰ると、私が帰った後、プロジェクトが全然違う方向にいって、次の朝、キャッチアップするのに1時間、2時間掛かるなと思った。それよりは、何とか仕事を効率化して5時に帰り、週2日は夜の10時、11時まで残って、残った仕事をまとめてやり帳尻を合わせるほうが、ストレスがたまらないと思ったんです」

実家の両親は世田谷在住、夫の両親は千葉在住と、サポートをお願いすることもできる距離にはいたが、子どもの保育園の送り迎えや育児は、親にはなるべく頼らない方針だ。ましてや、ベビーシッターなど第三者に任せきりにするのも性に合わない。子どもの世話を親に託すのは、「海外出張に行くときくらい」だったと言う。

「子どもは成長が早いから、一緒にいて目がかけられるうちは極力、面倒を見てあげようと思いました。だから、保育園の送り迎えは夫と完全に分担。家事をする間、子どもを1人でテレビを見させておくなど放置するのも嫌でした。だから、私がご飯を作るときは、子どもを足元に置いてお鍋で遊ばせたりしていましたね(笑)」

妹夫婦と、4人でタッグを組む

30代前半の若さとはいえ、極度のプレッシャーを強いられる激務と、人任せにしない子育てを両立するのは、「大変」の一言では言い尽くせないはずだ。時には、仕事と育児の両輪がうまく回らないときもあっただろう。

そこで、強力な助っ人となったのが、「妹の存在」だと言う。

「妹も理系開発職のワーキングマザー。結婚当時は、わが家からは少し遠い厚木市に住んでいましたが、お互い育児を協力し合ったほうがいいだろうと、世田谷に引っ越してきてくれた。こうすれば、お互いがどうしても仕事から抜け出せないときに、お互いの子どもを保育園に迎えに行き、ご飯を食べさせて預かっていることができますからね」

次ページ昼までに、ノルマ未達だったら……
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