韓国が嫌う「稲田防衛相」という"劇薬"の効能 安倍改造内閣の目玉人事は吉と出るか

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8月3日、認証式に臨む稲田朋美防衛相。今回の内閣改造の目玉人事といえるだろう(写真:つのだよしお/アフロ)

第3次安倍第2次改造内閣が8月3日、発足した。麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、岸田文雄外相という軸となるメンバーは変わらず、塩崎恭久厚労相や高市早苗総務相、加藤勝信一億総活躍担当相・働き方改革担当相といった安倍首相に近い面々や、“公明党枠”の石井啓一国土交通相も留任。都知事選で負けたばかりの石原伸晃経済再生担当相さえも異動がなかった。

だが今回の改造人事は、今後の政局に影響する可能性のある様々な点が見てとれる。

石破茂氏が閣外に去った「意味」

まず注目すべきは地方創生担当相だった石破茂氏が閣外に去り、山本有二氏が農水相に就任したことだ。同ポストは当初、石破氏に打診されたが、石破氏が断わったため、同じ水月会(石破派)に所属する山本氏に回ってきたものだ。

山本氏は水月会では石破氏に次ぐ当選9回のベテランで、“ナンバー2”といっていい。2015年9月の総裁選でも石破氏を擁立しようと動いた山本氏だが、第1次安倍内閣で金融担当相を務めるなど安倍晋三首相とも近く、一緒に座禅を組む仲でもある。

一方で入閣打診を固辞した石破氏は、ポスト安倍の準備をするつもりだと見られている。そもそも前回の改造の時から、石破氏は閣外に出ることは決意していたようだ。石破氏が就任していた地方創生担当相の役割は、この時に創設された1億総活躍担当相と重なるところが多かった。地方創生担当相というポストは大臣として軽量級で、石破氏は存在感をなかなか発揮できずにいた。

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