おカネにまつわる本音と建前

金銭感覚のリアリティを問い直す

バス会社にとって最も重要なことは、安全運行と定時運行です。当社は安全に対する投資は、最優先の領域に属します。そういう意味で、車両や設備更新、体制整備などの投資は最も優先して行うわけですが、その結果として何が起こるか。

何も起こりません。

何も変わりません。

考えてみれば当たり前です。「事故が起こらない」「今日と同じ日常が明日も続く」ということが、安全対策における最大の便益であるわけです。しかし何も起こらないというのは、逆にいうと投資をしなかった場合と、成果の比較ができないということを意味します。

このコストをかけて意味があったのか。かけなくても何も起こらなかったのではないか?時折、そういう疑問が頭をよぎります。でもそこでぶれてはいけないと思います。何も起こらないというのは立派な成果であるという認識を持ち続けることがとても重要です。そこはまさに理屈ではなく、何も起こらなくても粛々と継続するという、自らの精神力や胆力が試される場ではないかと感じます。

接待交通費の優先順位をどうつけるか

事業が窮地に陥ったときに、削られやすい費用のひとつに接待費や交際費があります。当然です。この手の費用は、将来の収入につながる営業費用的な意味合いであれば別ですが、多くの場合、過去からの惰性だったり、現実には遊興的な性格を持つものだったりと、支出の意味合いが明確ではありません。

したがって、再生初期では問答無用でバッサリと削るというのが普通です。細かく個別に検証し始めると収拾がつかなくなるので、目標削減枠を決めることや、一律ゼロ(からスタートする)などで、大枠から決めてしまうことが多いように思います。

そこまではよいですが、問題はその後です。ある程度会社が軌道に乗り、多少、接待や交際に使える費用が捻出できた局面でどう振る舞うべきか。どう優先順位をつけるべきか。

私は、そのキーワードは「非合理」「不公平」にあると思います。

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