英語に100万円かけるなら、スピーキングだ ビジネスパーソンの英語学習法(その2)

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教育が、長期的な経済力に大きな影響を与えることは言うまでもない。日本の教育全般は世界でも高い水準を維持している。しかし、英語教育だけはグローバル化の要請に応えることができていない。このまま英語教育を放置すれば、今後の経済に大きなマイナスとなることは確実である。
英語教育の改革をどんどん進め、若者の英語力を高めているアジア諸国に追いつくにはどうすれば良いのか。国家的な問題としての英語教育を考え、具体的かつ即効性のある改善策を模索する。それがこの連載「英語教育2.0」のコンセプトである。
社内でどんな英語研修をするか、研修にどの英語テストを使うかによって、社員の英語力は大きく変わる(撮影:梅谷秀司)  ※写真と本文は直接関係ありません

LRテスト信奉から脱却せよ

「社内英語公用語化」という掛け声とともに、どの企業でも「英語を学びなさい」という大号令がかかり、社員の皆さんは英語学習にいそしんでいます。しかし多くの企業では、いまだに「英語=TOEICリスニング・リーディングテスト(以下LRテスト)」という認識から脱却できていないように思えます。

そのように、LRテストを偏重すると何が起こるのでしょうか?

日本や韓国のようなEFL環境(外国語として英語を学び、日常において英語を使用する絶対的必要性が少ない環境)では、多くの人にとって、テストが英語学習の必要性を生み出しています。

目標となるテストが、学習手法に与える影響のことを「ウォッシュバック効果」と呼びますが、現在、日本ではLRテスト偏重のウォッシュバック効果により、リスニングとリーディングばかりに、社会人の学習が偏ってしまっています。

1980年代までは、これほどまでに多くの人が、英語のリスニングを勉強することはありませんでしたから、LRテストは、リスニング学習の普及には大いに貢献したのかもしれません。しかしながら、LRというのは、受動的な技能にすぎません。LRができたからといって、英語が使えるわけではないのです。

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