ERIホールディングス

日本ERIが切り拓く
建築市場の最前線
民間第1号の指定確認検査機関はいつまでも“パイオニア”

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ERIは省エネ分野のニーズに応えるために、早くから専門部署の整備や人材の育成に努めてきた。BELSに関しても第1号登録機関であり、約74%のシェアを誇る(16年3月末時点・日本ERI調べ)。

ERIはさらに、BELSと併用できる「エネルギーパス」の第三者認証サービスも提供している。「エネルギーパス」はドイツの制度で、断熱性能などを評価し、住宅が一年間を通して快適な室内温度などを保つために必要なエネルギー量をkWH/m2・年の単位で表示するものだ。ドイツでは不動産広告にもこの値が明示されているという。エネルギー単位のなじみが薄い日本では、「円単位」でも表示しており、年間の光熱費が一目でわかる。そのため省エネ性能をアピールするマンションデベロッパーや戸建住宅事業者などが、BELSを補完する営業ツールとして活用し、販売実績につなげているという。

※日本では、(一社)日本エネルギーパス協会が普及促進を図っており、日本ERIが第三者認証を行っている。

既存建築物の業務が急伸
ドローンの活用を計画

ERIホールディングスは16年6月、3年間(16年6月~19年5月)の中期経営計画を発表している。

増田社長はその内容について、「建築確認や住宅性能評価などの既存中核事業については経営資源配分の最適化と業務効率化の推進により収益力を強化するとともに、新成長事業、新規分野でも積極的に事業拡大を図っていきます」と説明する。

この中で新成長事業として位置づけているのが、前述した省エネ関連事業であり、「建築ストック市場」の関連業務である。

既存建築物調査へ注力してきた成果はここ数年で業績にはっきりと表れてきている。国の施策や市場のニーズを敏感に感じ取って顧客満足度を高めることで着実に実績を積み上げる

ERIグループの一員で、既存建築物の調査(デューデリジェンス)や検査(インスペクション)などの事業を手掛けるERIソリューションは16年6月、産業用ドローンの開発・販売を手掛けるスカイロボット社との業務提携を発表した。同社とERIソリューションは今後、最新鋭の4Kカメラや赤外線カメラを搭載したドローンを活用することにより、建築物の劣化状況などを調査する新たな手法を確立する計画だ。

従来、これらの調査は通常足場を組み、目視や打診などの手法で行うが、ドローンの採用により大幅な省力化とコストダウンが可能になるだろう。もちろん、これまで高所作業に携わっていた従業員の安全面でのリスクも低減する。

すべての検査や審査を、熟練の技術者が愚直に丁寧に行う。その姿勢はドローンを使うような新しい分野でも変わらない。だからこそ、ERIは業界のリーディングカンパニーであり続けられる
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