世界の広告費、テレビはあと1年で王座転落へ 2017年にはネットがついに逆転する公算

拡大
縮小

米国における2016年の広告支出に関しては、クロスプラットフォーム(テレビと動画)のキャンペーンへの移行が一層進み、オンライン動画広告への支出が20%増加すると、同レポートは予測している。

「多くの市場で一般的になりつつあるブランド各社の認識は、オンライン動画を、従来型のテレビと競合するのではなく、補完する存在として扱うべき、というものだ」とバーナード氏は指摘する。若く高収入の消費者を対象とする場合は特に、動画はテレビキャンペーンのリーチを一層伸ばす働きをする。

同じコンテンツを流すだけのやり方ではいけない

ただし、比較的小規模の市場で散見されるような、各種プラットフォームで同じコンテンツを流すだけのやり方ではいけない、とバーナード氏は釘を刺す。「オンライン動画広告は通常、従来のような30秒のものよりも短くすると、効果が向上する」。

ゼニスのレポートによると、ソーシャルメディアを含むオンライン動画は、モバイルユーザーにとりわけ嫌われている従来型のバナー広告から、市場シェアを急速に奪っているという。ただし、広告主が2016年に注力すべきポイントは、Snapchat(スナップチャット)やFacebookのようなプラットフォームにおけるオンライン動画のフォーマットと有効性を見極めることだ。

同レポートによると、Facebookは広告支出におけるシェアを伸ばしている。その効果で、ソーシャルメディアへの広告支出は2016年に27%増、2017年にはさらに20%増となると予測されている。

モバイル広告が急激に増えているが、あと数年は引き続き、デスクトップがモバイルを支出額で上回ると、同レポートは予測している。

Jemma Brackebush (原文 / 訳:ガリレオ)

DIGIDAY[日本版]の関連記事
アメリカの「テレビ業界」に激震が走った、2015年夏 ~業界の寿命を真剣に考えてみた
日本の10代向けテレビCMは「FIVE」が取って代わる?:大人不在のスマホアプリを囲い込み
テレビCMが効かない時代にマスブランドが成すべきこと:現代の「断片化市場」の攻略法

 

DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT