事実!仕事人生は「体力」で差がついていく できる人は能力、気力だけに頼らない

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私は1992年に、トリンプ・インターナショナル・ジャパンという会社の社長に就任しましたが、このとき、企業のリーダーとしての自分に課したルールがあります。

それは、「毎日、8時間寝ること」です。

それまでの仕事人生を振り返り、また、社長としてしっかりと働くことを考えたとき、そのベースとなる体力は、なんとしても確保しなくてはならないと思ったからです。

そもそも私は、人間の仕事力は三角形で表現できると考えています。その三角形の中は、上中下の3層に分かれていて、いちばん下の基礎になっているのが体力です。テッペンにあるのが能力で、基礎の体力とテッペンの能力をつなぐのが、気力。これらが揃って、仕事力になるのです。

多くの人は、いきなり能力を高めようとします。つまり、三角形のテッペンの部分だけの面積を大きくしようとするのです。しかし、三角形を見るとわかるはずです。テッペンの部分の面積を大きくするには、すぐ下にある気力が大きくなる必要があるし、さらにその下の体力が大きくなる必要があります。つまり、いきなり三角形のテッペンの部分だけを大きくするのは無理ということです。

最初にやるべきは、基礎の体力の部分の面積を大きくすることです。すると、それに伴って気力の面積が大きくなり、その結果、能力の面積が大きくなります。「能力を伸ばしたい」「気力を充実させたい」なら、まず「体力をつける」しかないのです。

悩む暇があるなら「すぐ寝なさい」

こう言うと、「頭脳労働者なのに、まず体を鍛えるなんて……」「そうは言っても、テッペンの能力だけを大きくする方法があるのではないか」と考える人もいるでしょう。

しかし、そんなことを考えながらクヨクヨとしている時間があるくらいなら、その分、運動をしたり早く寝るに限ります。早く寝る、あるいは長く寝れば、体力が回復しやすいことは誰でも知っているはずです。1週間働いて疲れやストレスが蓄積した週末の午前中に長く寝てしまうのは、体が「体力を回復させる睡眠時間」を欲している証拠です。それなのにしっかり寝ている大人は少ない。だからこそ、しっかり寝るだけで、周りと差をつけられる、と言うこともできます。

私の場合は、社長をしていた時代から、毎日8時間寝ています。具体的には22時30分に就寝し、6時30分に起床しています。「22時半に寝るなんて、無理だ!」と思う人もいるかもしれません。確かに私にも「22時半なんて、まだまだ外で飲んでいる時間だよ」と思っていた時期がありました。

しかし、そんな生活をしていてはビジネスのプロフェッショナルとして大切な「つねに100%以上のパフォーマンス」を発揮することができないし、社長としての仕事も全うできないと思い直し、発想を転換したのです。

次ページどうやったら22時半に寝れるのか
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