銅市況のカギ握る中国 非鉄金属は、世界景気の「体温計」

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非鉄金属の主な用途と消費量の推移

非鉄金属の主要な用途を挙げると、以下の通りになる。
銅…銅線、銅管
亜鉛…メッキ、黄銅、ダイカスト、化成品
鉛…蓄電池
ニッケル…ステンレス鋼、特殊鋼、メッキ、二次電池

まず、銅は青銅器や銅貨の話題を持ち出すまでもなく、最も古くから使用されている金属の一つだ。現代においても銅が貨幣として利用されているのは、金や銀に次いで希少性が認められているからにほかならない。しかし本稿で注目したいのは、電線向け用途としての銅である。近代化、工業化が進む過程において、送電を目的とした電線需要は増加する。また、銅線は地域間送電のためだけではなく、通信用や家電製品、建築物内配線、自動車内配線など幅広く利用されている。

次に、亜鉛は、鉄よりも水に強い特性がある。そのため、防腐用として鋼板メッキ(亜鉛めっき鋼板)に最も多く利用されている。黄銅は亜鉛と銅との合金であり、熱伝導性・導電率共に優れているため、家電製品や電子機器などに使用されている。

鉛は特殊な金属であり、用途の約80%が蓄電池向け需要となっている。ニッケルはステンレス鋼の原料として使われる割合が、約60%となっている。ステンレス以外の用途では特殊鋼や合金、また近年では電池への利用が増加している。

次ページ銅の需要は減っているようだが・・・
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