8月の主役は日経平均からマザーズに交代だ 任天堂に食われた資金が戻ってくるかが焦点

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新興市場を牽引してきたそーせいグループは、メインプレーヤーとして復活するか(撮影:今井康一)

日経平均の最近の上昇は本物でしょうか。6月24日高値(1万6389円)を上回ることに成功しました。本物かどうかを見極める1つの動きとして、7月8日安値(1万5106円)からの上昇過程で、チャート上には「マド」や「連続陽線」を伴う二番底特有の事象が生じていることが挙げられます。この動きで、6月24日安値(1万4864円)と7月8日安値とで二番底(ダブルボトム)の底固めが完成したことになり、4月25日高値(1万7613円)からの三段下げの下落調整が反転上昇に変わったことを意味します。

ただ、ここからはそう簡単にはいきません。7月8日安値から21日までの短期間のうちに1830円程度の上昇と、ややスピード違反の感が強く、心理的フシとなる1万7000円を前にさすがに一服する局面でしょう。

当面の焦点は1万7613円超え

25日線(1万5954円)ぐらいまでの調整はありえます。ただ、反転上昇に変わったとみる以上、上昇基調が続いている25日線をサポートに下値を切り上げながらも、4月25日高値を超えられるかが当面の焦点となります。なので、ここからさらに下げる場面があっても、底割れを警戒して手仕舞いを考えるよりも、押し目は買うというスタンスに変える必要があるかもしれません。

東京株式市場は欧米株の上昇に加え、日本政府による大規模な経済対策と日銀による金融政策への期待が心理的な支えとなり、株買い・円売りがまだ優勢のムードではないでしょうか。なかなか大きく下げない相場に耐え切れなくなった売り方の買い戻しなども入り、相場の下値を支える要因になっているようです。一方、今週の前半は予想通り、全体観としては様子見ムード。日本時間で28日早朝に判明するFOMC(連邦公開市場委員会)の結果に反応する海外市場の反応や、29日に結果がわかる日銀金融政策決定会合の結果が焦点となります。

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