養命酒

CMの「未病」は、私もそうなのか?

壮年世代、考えるべき疾病の一歩手前

働き盛りの壮年世代に身体の「不調」を顧みる余裕はない。抜けない疲労感、胃腸の不調、少なからず多くの人が「なんだかおかしい」と感じているはずだ。昨今はCMなどで未病というワードをよく目にするが、文字通りの意味ならば、この不調は未病なのかもしれない。私たちは、健康で豊かな生活を送るため、どのようなことを心掛ければいいのか。

「なんか調子悪いな〜」
という時の自己解決は正しいのか?

ビジネスシーンを牽引する読者諸兄へまずはお聞きしたい。身体の不調を自己流で解決していないだろうか。その原因を知らないまま、そして対処も不確かなままに。

自己管理はデキる人物の絶対条件だ。そろそろ無理がきかなくなる30代40代にとって、「からだの調子が悪い」は「できません」の意味だったりする。その現実にのまれることなく自らを振り返ることが必要だ。

なんとなく身体がだるく、疲れが取れにくい。食欲も減退し、夜もよく眠れない。ビジネスパーソンに“おなじみ”と言えるこうした症状を、ついつい軽く考えてしまうのはよくあることだ。それは身体への黄信号。特に夏場は別の疾患へ連鎖することも多い。

自己流で解決することは逆効果にもなりえる。その根本原因を知り、正しい対処を行えば、不調は劇的に不調でなくなるだろう。

根本原因は意外なところにあった

ここで、テレビや雑誌でも数多くのコメントを発せられている北里大学東洋医学総合研究所・漢方鍼灸治療センター副センター長の伊藤剛医師に、不調の根本を聞いてみたい。

例えば、なぜ私たちは夏疲れするのか。かつては、猛暑によって食欲不振や体力低下を引き起こす「夏バテ」と呼ばれる症状が主であった。しかし現在ではエアコンの効いた室内と高温多湿な屋外との急激な温度差によって自律神経が変調をきたす「冷房病」の色彩が強い。

「人間の身体は夏に向かって夏用の身体になり、血管が拡張して熱を効率よく放散する身体に変化するようにできています。ところが冷房が効いた部屋では血管が締まって熱を放散しないようになる。言わば冬仕様。これを繰り返していると身体がどう働いたらいいか分からなくなり、冷房の部屋では冷えやすく外にいるときは熱がこもりやすいというあべこべな状態になってしまうのです」(伊藤医師)。

身体の不調を引き起こすさまざまな要因のなかでも「血流」は重要な要素のひとつだ。伊藤医師はその症状として「こり」を指摘する。筋の収縮は不定愁訴の大本になりかねない。ならばと、ジムなど運動によって改善できるというのは安易だ。日頃から運動不足の人が急に身体を動かすと筋肉が硬直し、逆効果になる。

血流が少ないからこりやすくなるわけで、それは半身浴にも同様に言えることだ。汗は出るが上半身の皮膚や筋肉の血流が改善されていないため、上半身が意外に冷たいという体験をした人も多いだろう。

●ジムに行くなら⇒大股ウォーキングを取り入れるだけでいい
●半身浴するなら⇒首まで浸かって5分。血流を良くし、むくみを減らす
●PC・スマホ疲れ・目の疲れ⇒温タオルより首のマッサージで脳への血流を増加

また、血流の悪さは脳への影響も大きい。一日も後半になると首まわりがこって目が疲れてはいないだろうか。

たとえば、「パソコンは日常的に使用するもの。これは目を酷使するのと同時に、前傾姿勢で利用する。スマホもそうで、指だけで操作しているのではなく、肩と腰を支点にして姿勢を維持している。当然肩や首の筋肉が緊張し続け、それがこりの原因となっているのです」(伊藤医師)。

ヒトは直立歩行するうえ、現代人は同じ姿勢、前傾姿勢で居続けることが多いため、首や背中の筋肉が硬直しやすい。

「大動脈から分岐して視覚中枢のある大脳の後頭葉へ血流を送る椎骨動脈の血流が悪くなると、色が”ぼやけ”、視界が”かすんで”見えるようになります。また脳内の交感神経は脳の血管だけでなく目につながる血管も支配しており、そこが緊張することで瞳孔の散瞳反応が強まり”まぶしく”なります。
さらに交感神経は涙腺も抑制するので、そこが緊張すると涙の量が減り、”ドライアイ”の原因にもなるのです」(伊藤医師)。

不調は「未病」?
まず正しい理解を

最近になってCMなどでよく耳にするようになった「未病」という言葉。現代医学ではまだ病気にはなっていないが放っておくと病気になる可能性のある状態、いわゆる「病前状態」や「半健康状態」のことを指して用いられるが、実は本来の未病とは「未病を治す」といって、日頃から病気を起こさないようにすることだった。

病気を治療するための薬には毒性もあり、副作用などの可能性も当然ある。できるだけ薬は使わないに越したことはない。そのためには病気にならないような習慣を心がけることが大切。過度な飲食を慎み、規則正しい生活を送る摂生を重視した「東洋医学の養生」という考え方が、現代医学においても「予防医学」や「公衆衛生学」などで重要視されてきている。

そもそも「健康」という概念自体、明治時代に、病気である人と区別するために作られ用いられるようになった比較的新しいものだということもあまり知られていない。「health」を「健康安全」と訳すまで、日本では「養生」や「健やか」「元気」「丈夫」といった言葉が「健康」に相当するものとして用いられていたのだ。

伊藤 剛
北里大学東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センター副センター長 鍼灸診療部部長 漢方診療部部長兼務

「人間は皆どこか悪い所を抱えて生きていて、完全な健康体というのはあくまで架空のイメージ。今日は元気でも明日には病気になるかもしれない、人間とはそうした複雑な生き物なのです。一方でいま生きているということは、健全であることの証明でもある。一部が病気であっても全体として生きている。あくまで段階的なものであって、だからこそ病気の有無ではなく身体の状態を示す「元気」という言葉や、病気にならない方法を示す「養生」といった東洋医学の考え方が大切になってくるのです」(伊藤医師)。

1日15分の運動、そして東洋医学の発想

それでは日常で行える養生にはどのようなものがあるのか。伊藤氏は、まず規則正しい食事と共に、1日15分程度の「よい運動」を勧める。

「江戸時代に書かれた『養生訓』という書物には〈常に安閉無事でいることはよくない。心を静にして身を動かすのがよい〉という言葉があります。よい運動とは関節や筋肉を柔軟にして姿勢を正し、適度な筋力で血流を良くして身体を温めるもの。激しいスポーツや器械を用いた筋力トレーニングは必要なく、ウォーキングやストレッチ、体操などが当てはまります」(伊藤医師)。

筋力は使わないと年を重ねるごとに低下するし、基礎代謝を上げることもできず成人病のきっかけにもなりかねない。根本から身体を変えるためによい運動を継続し、血流を良くすることが重要なのだ。

だが、実際は、すでに身体に不調を感じていたり、運動する機会もなかなかつくれないという場合が多いだろう。そういう人にとっては、「薬酒」という手がある。

若い世代には馴染みがないかもしれない薬酒だが、実はそうでもない。あなたがバーで飲むジンやカンパリなどがそうだ。ジンはネズの実を使用した蒸留酒で、古くはオランダの医師が利尿・健胃・解熱のために作った薬酒で、カンパリはオレンジやキャラウェイなど30種以上の健胃・強壮作用のあるハーブを使ったものだ。こういった西洋の定番酒のように身近なところに薬酒は存在するし、昔から人々の健康に大きな役割を果たしてきた。

中国でも、生薬を煮だしたり粉末にするといった摂り方以外に、酒との組合せを太古の昔から実践してきた。生薬には酒と相性が良くしっかり溶け出すものが多い。加えて、アルコールの持つ「協力作用(効果を高め合う働き)」によって、その成分を効果的に体内に摂り入れられるうえ、血流改善効果や、筋肉や精神の緊張を和らげる効果を期待できるものなのだ。

「現代の西洋薬がひとつの成分から作られるのに対し、漢方薬は複数の生薬から構成される多成分系薬剤。ですから慢性的に弱った身体の部分を全体的に修復しながら改善することができるのです」(伊藤氏)。

東洋医学の発想と、手軽で身体に摂り入れやすい薬酒という方法を活用しながら、あなたも養生を行い、「なんか調子わるいな〜」から「今日は調子がいいな!」に大きく変わっていっていただきたい。

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養命酒製造株式会社
 http://www.yomeishu.co.jp/