子供の可能性は「正解主義」では引き出せない

「信じて任せる」ことが生きる力につながる

日本の教育が崇拝してきた「正解主義」は問題だ(撮影:今井 康一)
先生は黒板と話していた。
生徒と砕けた会話をするわけもなく、ただカセットテープの再生ボタンが押されたかのように淡々と問題の解法を読み上げて時間どおりに授業を終える先生、あなたの学校にもいたのではないだろうか。忙しさを言い訳にして生徒から目を背けている先生は、何年か後にはハイテク教材に仕事を奪われているかもしれない。
そして親であるアナタも安心してはいられない。忙しさを言い訳に子どもから目を背けている親も、ハイテク機器に親の仕事を取られてしまう時代がくるやもしれない。あなたは子どもと向き合っていますか? 本連載は算数学習支援サービスの「RISU」を立ち上げた筆者が、そんなテーマに迫っていく。第7回はTeach For Japan代表の松田悠介氏と議論を交わした。

松田悠介とは。学生時代のいじめと松野先生

加藤 エルテス 聡志(以下、加藤):松田さんはどのようなお子さんだったんですか。

松田 悠介(以下、松田):勉強も運動もイマイチでした。勉強は学年でも最下位。体が小さくて足も遅かったため、バスケットボールなんかをやってもパスを回してもらえない。それに加えて色弱なので美術のデッサンなんかも苦手。そんな子どもでした。

加藤:いろいろとご苦労があったようですね。

松田:きわめつけに中学校2年生のときにいじめを受け始めました。体が小さかった私は休み時間のたびに柔道技をかけられていて、しんどかったです。ただ幸運なことに、私の人生を変えるような出会いをすることができました。松野先生という体育教師で、真摯に私と向き合って面倒を見ていただきました。

加藤:松野先生はどのようなことをしてくださったんですか。

松田:私のことを信じて向き合ってくれ、半歩先を照らしてもらいました。具体的には、強くなるためのトレーニング方法や体を大きくするために摂取すべき栄養素などを図書館に行って一緒に調べたり、毎朝6時半から一緒にトレーニングに付き添ってくれたりしました。

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