能年玲奈「改名」で見えた焦りとかすかな希望 「洗脳」は本当にあった?なぜ「のん」に改名?

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小泉さんは50歳を迎えた今年、「遠い未来ではなく、明後日くらいの未来を目指して、仲間たちと一緒に何ができるか模索していきます。舞台、映像、音楽、出版、ジャンルにとらわれず、私たちらしい企画を考えていきたい」と宣言して、『明後日』というプロジェクトを立ち上げました。第1弾として、すでに舞台をプロデュース・演出したこともあって、「能年さんもこの流れに乗れるのではないか?」という見方が有力なのです。

もしそれが実現したら、小泉さんが能年さんをプロデュースした「あまちゃん」の劇中と同じ関係性であり、話題性抜群。仮にドラマや映画から敬遠されても、キャスティングの制約が少ない舞台なら問題ないですし、同じく「あまちゃん」の共演者で能年さんをかわいがっている渡辺えりさんも演劇界の大物だけに、舞台出演のチャンスはめぐってくるでしょう。

思えば、水野美紀さんも所属事務所からの独立を機に、表舞台から姿を消した時期がありましたが、舞台に活路を見出し、今では連ドラ主演を務めるなどメジャーシーン復帰を果たしました。

能年さんも、舞台での演技が評価されれば、おのずとドラマや映画出演への待望論が高まり、そうなれば両業界のプロデューサーたちも無視できず、「リスクを取ってでも起用したい」という人も出るでしょう。「国民的ドラマのヒロインが小劇場に出演!」からはじまる復活劇も、ギャップがあって面白いかもしれません。

整理すると、しばらくの間、能年さんの女優業は、「スポンサーから得る制作費の中から報酬をもらう」ドラマではなく、「観客から得るチケット代金の中から報酬をもらう」舞台からはじめるのが自然な流れ、ということ。絵本や楽曲なども同様で、「購入者から得る代金の中から報酬をもらう」という直販型のビジネスになりそう、ということです。

「洗脳報道」に対する自戒の念

もう1点、現在の能年さんを語る上で忘れてはいけないのが、過去の騒動。「なぜ事務所を離れたいと思ったのか?」「洗脳はあったのか?」が気になるところです。

『週刊文春』で阿川さんから、「『あまちゃん』の撮影の時は洗濯する時間もないし、給料も月に5万円でおカネがなかったって話がありましたけど……」と聞かれた能年さんは、「きゃー恥ずかしい! 財布の中に1円玉しか入っていない時がありました。洗濯が間に合わないから、明日着ていく下着もないような時がありまして。マネージャーさんも新人の方で忙しくされてるし、泣き言を言って怒られたこともあったので、相談しちゃ駄目だと思ってたんです……」と遠回しながらも、当時の苦境を明かしました。

これまで数々の朝ドラを取材してきた私からすると、朝ドラヒロインはみなさんの想像以上にハードであり、なかには肉体の疲労だけでなく、精神的に病んでしまう寸前の人もいるほど。「あの過酷な状況に加え、孤独も感じていたのなら、キツイなんてもんじゃない」というのが正直なところです。

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