住友生命が主力商品の保険料を値下げへ 4月の予定利率引き下げ時に攻勢狙う

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住友生命保険は4月2日以降に新たに契約する保険商品の一部について、保険料を値下げすると発表した。20~30代の若年層などを主な対象に、主力商品の保険料を引き下げるのが柱となる。4月2日以降の保険料の算定根拠となる予定利率の改定方針を2月12日付けで発表した際に明らかにした。

予定利率は保険会社が商品設計の際に用いる運用利回りのことで、予定利率が下がると保険料は上がるケースが多い。だが、今回、住友生命は主力商品である「Wステージ」(5年ごと利差配当付き新終身保険)や「ライブワン」(最低保証利率付き3年ごと利率変動型積立保険)に4月2日以降に新たに加入する場合に、保険料が従来より安いケースを設定する。

終身保険部分が多いと値上げも

最主力商品のWステージでは、たとえば契約年齢が30歳の男性で一定金額の医療や介護保障の特約を付けるなどの条件を満たした場合に、保険料を従来より値下げする。ライブワンに一定の条件で30歳の女性が加入した場合にも値下げとなる。一方で、保険契約に占める終身保険部分が多い場合には値上げになる。

住友生命では「介護や医療保障に関する支払い実績が想定より低く推移していることを踏まえて値下げの原資にした。新規契約者の約5割強で保険料が下がる」としている。

Wステージの2012年度上期の新契約件数は約13万件、ライブワンは6万件強。住友生命ではこれら2つの商品で、個人保険の年間新契約件数の4割以上を占めている。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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