誕生100余年、「都電荒川線」の変わらぬ魅力 歴史や車両について、のんびりと振り返る

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都電8500形。1990年導入の車両で長年親しまれてきた黄緑とクリームの2色で塗り分け。最近は広告が付けた車両が多い

都電荒川線を走る電車は全部で6形式(2016年7月現在)。最古参は7000形で、1954(昭和29)年から製造された車両だ。この7000形は昭和50年代になって、新造車体に更新されて外観が変わったものの、台車や主要機器は以前のものが流用されている。

都電9000形。2007年から走り始めた電車でレトロな外観が特徴。エンジ(写真)とブルーの2両が造られた。団体向け貸切車両としても使われている
都電7700形。2016年5月にデビューした新型車で、古くから走る7000形の車体など一部機器を流用して製造。今後、7000形のほとんどが7700形に刷新される予定だ

主力電車として働いてきた7000形だが、徐々に新型車との入れ換えが進められている。荒川線になった後に導入された8500形(1990年導入)、レトロなスタイルの9000形(2007年導入)、8800形(2009年導入)、8900形(2015年導入)と新形式車両の導入が進む。なかでも、荒川線の主力となりつつある8800形と8900形は、華やかな車体カラーが特徴。ローズレッド、バイオレット、オレンジ、イエロー、ブルーといった車体色の電車が東京都内を走っている。

さらに2016年には、7000形の車体を利用しつつも最新型の機器に積み替えた7700形が登場。走る電車は色も形もさまざま、見て乗って楽しい路線となっているのだ。

商店街には「都電グルメ」も

地元の人たちは親しみを込めて「荒川線」と呼ぶ、同路線の主なポイントを見ていこう。

まずは路線の起点である三ノ輪橋から。賑やかな南千住の街中に三ノ輪橋の停留場がある。この三ノ輪橋から隣りの停留場・荒川一中前まではジョイフル三ノ輪商店街アーケードが続く。ちょっと歩くと「都電名物赤しょうがの天ぷら」「都電ブレンド」などの幟(のぼり)。地元の人たちの都電への思いが強く感じられる。

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