なぜ1日がデスクワークだけで終わるのか? 仕事の効率アップを邪魔するもの

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私が覚えた「もやもや感」はなんだったのでしょうか?

それはうまく言語化できないのですが、一言で思い切って言うと「組織で働く以上、自分のペースでは仕事はできない」気がしたからだったと思います。

組織に属する人は個人の業務とは別に、組織における何らかの役割を必ず持っています。無形で暗黙知の中で表現されるものも含みますが、チームワークだったりメンタリングだったり、指導だったり叱咤だったりアドバイスだったり……。

その役割は当然ながら管理職に限らず、一般社員でも一緒です。入社2年目や3年目であっても後輩や同僚はいます。形式的なラインの上下関係になくても、助言や励ましは必要です。

組織で働く者の宿命

すなわち組織の中にある以上、われわれはつねに誰かを必要とし必要とされている関係性の中で生きており、それが関係性である以上、自分のコントロールの外にある他者の意向に左右されます。関係性が必要である以上、組織の中での利己的な活動は業務運営のボトルネックになる潜在性を秘めており、つまり個人最適を犠牲にしても協力関係を保つことが業務のパフォーマンスそのものに影響します。

とても理屈っぽくなってきましたので話を戻しますが、要は仕事で必要なコミュニケーションを、自分の都合で否定するなどというのはあってはならないと感じるのです。

遠慮して相談するタイミングをうかがっている人が周りにいたら、そのタイミングを受け止める。こちらから話しかける。自分の仕事はいったん止まりますが、組織全体でみれば、そこで自分がボトルネック化するより効率的であるように思います。別に「いい人」ぶるわけではなくて、ある種の合理的な判断です。

そういう意味で全身から「受け入れる空気」を発信し始めた後で、デスクワークのみで1日を終えたりすると、逆に大いに脱力感を覚えます。そもそも自分がここに居る必要はないとさえ思うようになりました。

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