デキない人はプレゼンのやり方がグダグダだ 本当に伝わる仕掛けは選挙論戦から学べ

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1つは会場の空気を同じ流れにすること。私たち日本人は長年の文化からか長いものに自然と巻かれる傾向があります。「今日は暑いですね」のような天気や「未来に向かって進みましょう」のような前向きな話は、多くの聞き手と同調が取りやすいネタです。簡単に言うと多くの聞き手が「ウンウン」とうなずくネタを選ぶのが最適です。

この同調はすべての聞き手と取れなくても大丈夫。お笑いグループのダチョウ倶楽部が、やりたくないネタについて議論をしながら、「俺がやるよ!」「いや、俺がやるよ!」と順に手を挙げていき、それを見ていたら、そのネタをやりたくないのに手を挙げなくてはいけないものと感じて手を挙げてしまって「どうぞどうぞ」――というギャグをご覧になった人も少なくないと思いますが、あれこそが場の空気で人を動かすテクニックです。同じように場の空気を変えることができれば、徐々に同調する聞き手が増えてきます。

共に闘うと仲良くなる

2つ目の方法は、「聞き手と一緒に闘う」ことです。闘うと言っても本当に拳をあげて闘うわけではありません。存在のはっきりとしない攻撃対象となる「仮想敵」を作って、一緒に倒すことを聞き手にイメージさせるのです。

一方で、「仮想敵なんていない」と思う人もいるでしょう。でも、安心してください。仮想敵は下記のパターンに合わせることで作り上げられます。

〔仮想敵の法則〕
・体制(政治や会社組織)など、個人では太刀打ちできないもの
・世の中の流れ(安価なものが喜ばれる)や、世論のように抽象的なもの
・政治家やタレント、海外の企業など、現実的なコンタクトが難しい存在のもの
これに加えて
・多くの人がそうだと思う思想や行動がそこにあること

 

簡単にいうと、「みんなが知っているコト・モノ・ヒトを違う視点から言及し、 納得いく理論で同調を得る」ということです。この同調がプレゼンそのものへの共感に置き換わることによって、聞き手を味方にすることができるのです。

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