「バツ2、子持ち」男性を選んだ女性の"真意" 理想の結婚は思いがけないところにあった!

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「38歳になったときには『子どもを産まなくちゃ』と焦りました。子どもが欲しいというよりも産まないと落ちこぼれる、という感覚です。学校のテストで80点は取らないといけない、大学や会社はこのレベル以上でなければいけない、という感じと同じですね」

親からの期待を原動力にして、社会的なステータスを上げることは悪くない。しかし、頭の中をそれだけに支配されると自分自身が空っぽになってしまう。

地味な作業を一人でコツコツとやっているときもささやかな喜びを感じられることは何なのか。お互いに髪の毛ボサボサのパジャマ姿で狭い部屋にいても、安心と心地良さを覚える相手は誰なのか。真剣に自分と向き合い、迷い、勇気を持って行動した人だけが本当に人間らしい生活を送れると思う。

月2ペースでデートをしているのに手もつながない2年間を過ごした智美さんと健之さん。口には出せない葛藤が多かったはずだ。そして、煮え切らない2人をくっつけるきっかけが訪れる。智美さんが41歳のときだった。

「誰かがそばにいてあげないと」

「夫には最初の奥さんとの間に娘と息子がいて、娘のほうは2番目の奥さんとの折り合いが悪くて最初の奥さんと暮らしています。息子は夫と2人で暮らしていたのですが、反抗期になって夫とケンカをして、やはり最初の奥さんのところに行ってしまったんです。ちょうどそのときに夫が可愛がっていた飼い犬が亡くなりました。夫は一人ぼっちです。誰かがそばにいてあげないと、と思いました」

かわいそうという気持ちをバネにして、健之さんとの交際に踏み切った智美さん。当然、結婚が前提だ。勇気を出して母親に打ち明けた。すると、意外な反応が返ってきた。

「パートナーが見つかってよかった。私もいつまでも生きてるわけじゃないから。でも、お父さんにはなんて言おうかね」

離婚歴があり連れ子もいる健之さんとの結婚を大反対されると覚悟していたが、すでに70代になっていた母親は喜んでくれたのだ。正面突破で母親を攻略して味方につけた智美さんは、父親に対しては懐柔と奇襲の2段階作戦に出た。

次ページ父親との対決は・・・
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