TOEICだけでは話せるようにはならない ビジネスパーソンの英語学習法(その1)

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TOEIC スピーキングテストのしくみ

スピーキングテストはパソコンとの対面方式で行われます。受験者はパーティションで区切られたブースの中で、マイク付きヘッドセットを装着し、6パート合計12問の問題に対して、パソコンからの指示に従って答えていきます。設問は日常的な英語の使用から、ビジネス英語まで多岐にわたります。合計時間は20分間です。20分というと短いように思えるかもしれませんが、実際にはかなりの量を話さなければならず、TOEICスピーキングテストはさまざまなスピーキングテストの中でも、最も長い部類に入ります。

具体的に、TOEICスピーキングテストは、以下の6つのパーツから構成されています。

Part 1 音読問題 

画面に表示された100ワード前後の文章を、45秒間準備した後に、45秒間で吹き込みます。この問題は2題出題されます。発音や抑揚が採点されます。

Part 2 写真描写問題

画面に表示された写真を、30秒間準備した後に45秒間で描写します。写真内の物品や人物を的確に表現できているかが採点されます。

Part 3 応答問題

音声のみで流れてくる3つの質問に対して、自分周辺の情報や自分の考えを述べます。準備時間はありません。1問目と2問目の解答時間は15秒、3問目の解答時間は30秒です。

Part 4 資料説明問題

30秒で資料を読み取った後、その資料に関する3問の質問に答えます。1問目と2問目の解答時間は15秒、3問目の解答時間は30秒です。

Part 5 解決策を提示する問題

電話でビジネスに関するある問題が口頭で提示されます(リスニングのみ)。あなたはその問題に対する解決策を提案します。準備時間は30秒、解答時間は60秒です。

Part 6 意見を述べる問題

画面上にはある課題が提示されます。その課題に関して、論理的に自分の意見を構築し、発表します。準備時間は15秒間、解答時間は60秒間です。

ノンネーティブの英語で大丈夫

このようにTOEICスピーキングテストでは、あなたのスピーキング能力がさまざまな側面から直接測定されます。解答はすべて口頭で吹き込まなければならないので、このテストを目標にする誰もが、いやが応でも、話す練習をしなければなりません。

このテストでは、完璧にネーティブと同じようなレベルの発音や流暢さが求められるわけではありません。また、アメリカ英語的な発音が求められるわけでもありません。発音に関しては、世界でビジネスをする際にミスコミュニケーションが起こらないレベルの正確さがあれば十分です。むしろ、わかりやすい順番で論理的に話すことや、相手の質問に的確に答える能力のほうが重視されます。

次回からは、英語が話せるようになる方法を、便宜的にスピーキングテストのパート別に分けて、述べていきたいと思います。お楽しみに。

安河内 哲也 東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師

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やすこうち・てつや / Tetsuya Yasukochi

1967年福岡県生まれ。上智大学卒。予備校講師、教育関連機関での講演などで実用英語教育普及に従事。著書に『子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社BOOKS)など。

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