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「オールスター」が子供たちの生涯の宝に
スポーツを支援するマツダの思い
マツダ

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7月15、16日、今年もプロ野球「オールスターゲーム」が開催された。この夢の祭典を2008年からスポンサードし続けるのが自動車メーカーのマツダだ。広島東洋カープの筆頭株主、Jリーグのサンフレッチェ広島の主要株主など、スポーツ支援に積極的な企業として知られるが、常務執行役員の福原和幸氏はその理由をこう語る。

「当社のブランドメッセージに『Zoom-Zoom』という言葉があります。日本では子供が車の走行音を『ブー、ブー』と言いますが、これはその英語表現です。幼いときに感じた、動くものへの感動。これを我々は大人になっても忘れずに、同じように感動してもらえる車を作り続けますというメッセージなんです。夢とか、小さいときに抱いた思いを持ち続けてチャレンジしていくということではスポーツも同じだと思いますし、そういう人たちを是非、応援したいと思っています」

後列左から大谷翔平選手、小飼雅道マツダ社長、「ドリームキッズチャレンジ」アンバサダー稲葉篤紀氏、福原和幸マツダ常務、坂本勇人選手

オールスターでは子供たちの夢の「加速」にも力を注いでいるが、その理念は08年以降、強くなっているという。

「オールスターは今年で9年目でしたが、毎年、未来を託す子供たちに夢を持ってもらえるようなイベントを行ってきました。そこで子供たちの輝く目を見ていると少しでも夢に近づける支援ができたらという思いが膨らみますよね」(福原氏)

今年のオールスターでも横浜スタジアムで行われた第2戦の試合前に「ドリームキッズチャレンジ」を実施した。「将来の夢に向けてチャレンジしていること」をテーマにした作文を全国の少年、少女たちから募集し、優秀作品に選ばれた9人が坂本勇人選手(読売ジャイアンツ)と大谷翔平選手(北海道日本ハムファイターズ)からノックを受け、ホームランダービーの捕球にも挑戦するというものだ。

こんな場面があった。

ホームランダービーで選手たちとともに外野守備についていた小学2年生の内富奏琉(そうる)君は、グラウンドに落ちてきたボールを追いかけていってキャッチ。だが、ボールをどうしていいかわからず辺りを見回していると、近くにいた川端慎吾選手(東京ヤクルトスワローズ)がそのボールを内富君のズボンのポケットに優しく入れたのだ。イベント後、内富くんはそのボールを小さな手で大事そうに握り締めて、「すっごく嬉しかったです!」と声を弾ませた。

アンバサダーの稲葉篤紀氏からノックのコツを伝授されて、本番を迎えた子供たち。やや緊張の面持ち

さらに憧れの広島・新井貴浩選手に話しかけに行ったことも振り返り、ユニフォームに書いてもらったサインを嬉しそうに見せながら、

「毎日、素振りやキャッチボールをしています。憧れの選手たちを目の前で見られて、もっと頑張ろうという気持ちになりました。カープの選手になって、背番号18をつけてエースになりたいです」

と力強く話してくれた。内富君は、この日の出来事を一生、忘れることはないだろう。

「この9年の間には東日本大震災が起き、広島でも土砂災害に見舞われ、今年も熊本で地震による大きな被害が出てしまいました。そんな中でも子供たちが夢を持ってチャレンジすることが世の中の活性化につながる。我々はそう考えています。商品で貢献することはもちろんなのですが、日本の将来のためにも子供たちを応援し続けたいと思っています」(福原氏)

販売台数153万台(16年3月期)と過去最高を記録し業績も好調なマツダと、25年ぶりの優勝を目指しセ・リーグ首位をひた走る広島東洋カープ。しばらく広島周辺から目が離せそうにない。

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