なぜ丸の内は、“新しい感じ”がするのか?

"ミスター丸の内"の、人を呼び込む力

超高層ビル群の中をビジネスマンが行き交い、石畳の仲通りに軒を連ねる世界的なブランドショップで多くの人が買い物を楽しむ――。今や日本を代表する観光名所ともなった、東京・丸の内。そのブランディングを影で支える、“ミスター丸の内”がいる。

三菱地所・街ブランド企画部の渡邉眞幸副長(45歳)は、会社人生の半分以上を丸の内に費やしてきた。

丸の内を南北に貫く仲通りを、この人と一緒に歩くと、数秒おきに声がかかる。会社の同僚、周辺のビルに入居するテナントの従業員、メンテナンス会社の担当者、ゼネコン関係者……。その顔の広さが、彼がこれまでこの街で手掛けてきた仕事の幅広さを物語っている。

丸の内に、どう人を呼び込むか

現在の彼のミッションは、さまざまなイベントを通じて丸の内からメッセージを発信し、街に絶え間なくにぎわいを生み出すこと。いくら最新鋭のオフィスやおしゃれな店舗を開発しても、そこを訪れる人の流れが途絶えてしまえば、街としての価値は落ちてしまう。

香港やシンガポールなどとの都市間競争が激化する中、東京を代表するビジネス街である丸の内の価値を高めることは、東京、ひいては日本の経済活性化には不可欠な要素だ。

ただ、闇雲にイベントを乱発すればいいというわけではない。時流に沿ったテーマでなければ、来訪者の心をとらえることは難しい。丸の内を訪れる人がそのとき何に関心を持ち、何を欲しているか。イベントのコンセプトを決定する上で、これまでも渡邉氏の“夢想力”が重要な役割を果たしてきた。

渡邉氏が今の部署に異動してきたのは、東日本大震災直後の2011年4月。当時は日本中を自粛ムードが覆っていた。しかし、それでは日本経済が委縮した状態が続いてしまう。

そんな現状を打破すべく、渡邉氏らは丸の内から全国へ元気を発信していくことで被災地の復興につなげるというメッセージを込めて、「元気! FOR JAPAN.」というスローガンを作った。これに沿って、丸の内ビルディング(丸ビル)を中心とした周辺エリアで、東北地方の物産を扱う青空市場やチャリティーコンサートなどを開催した。

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