共和党の方針転換で3月危機への警戒和らぐ

景気・経済観測(米国)

米国スポーツ界最大のイベントである「スーパーボウル」が、2月3日に開催された。アメリカンフットボールの白熱した試合内容もさることながら、毎年大きな注目を集めるのが、テレビ中継の合間に放送される企業コマーシャルだ。

「スーパーボウル」のテレビ視聴率は40%前後と極めて高く、昨年は全米で1億1000万人以上が視聴したといわれるほど、その広告効果は絶大である。各社は、視聴者の関心を引こうと莫大な資金を投じて趣向を凝らしたコマーシャルを制作しており、それを見ることも、多くのアメリカ人にとって「スーパーボウル」の楽しみのひとつとなっている。

一方、その宣伝効果ゆえに、コマーシャル料金が非常に高額になることも有名だ。報道によれば、今年は1スポット(30秒)当たり平均約380万ドル(約3億5000万円)と、過去最高といわれた昨年から一段と上昇した。それにもかかわらず、今年は大手どころ以外でも複数の企業が新たに参加するなど、企業の購入意欲はむしろ高まっているのが現状である。

改善を続ける企業部門

こうした企業の前向きな動きの背景には、事業環境の改善がある。昨年末には、「財政の崖」や海外経済の減速といった問題を抱え、先行き不透明感による企業活動の下押しが懸念されていたが、これまでの経済統計を見るかぎり、そうした影響は限定的だったようだ。

実際、製造業の生産動向を見ると、昨年12月は前月比プラス0.8%と底堅い伸びとなった。上記の先行き不透明感に加え、ハリケーン「サンディ」の反動による押し上げ効果が既に一巡したとみられる中で、増産を維持したことは、予想外の健闘といえる。

また、先日発表された昨年10~12月期のGDP(国内総生産)では、設備投資が2四半期ぶりにプラスとなるなど、企業の投資抑制傾向が一服しつつある様子もうかがえる。設備投資の先行指標となる資本財受注(除く国防・航空機)は、昨年後半から持ち直しており、こうした設備投資の改善基調は今後も続く公算が大きい。

企業の前向きな姿勢はM&Aにも現れている。米企業が買収側となるM&Aの件数を見ると、昨年10-12月期は2924件(前期比プラス2.9%)と、2四半期連続で増加した。その数は、景気後退前のピークである2007年4-6月期の水準(3061件)にあと一歩というところまできている。

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