105円突破でも私が日本株を買わない理由 トレンドが出るまで無理に動く必要はない

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以前にも、111円台半ばを超えると、それまでの円高トレンド転換の可能性が高まると指摘した。結果的にそこまで戻したものの、上抜け切れずに反落したことは記憶に新しい。

108円を抜け、ドル高に進めるかどうか

現在、そのトレンド転換のポイントが108円にまで低下している。つまり、ドル円がこれまでの「苦しい円高トレンド」から抜けるには、この水準を明確に上抜ける必要がある。

その場合、理由は問わない。相場というものは、抜けてしまえば、その方向に一定期間、進むものだからである。その意味でも、今週から来週にかけて、この水準を抜け切れるかに注目せざるを得ない。

一方、現在の日本株とドル円との関係は、以前とはやや変わりつつあることは、すでに本欄でも指摘した通りである。

これは、外国人投資家がほぼ不在となったことで、ドル円と日本株を絡めてトレードする主体がいなくなったことが大きく影響している。

それでも、日本株の方向性を左右しているのは、やはりドル円の水準であることに変わりない。現状のような、110円を割り込んだ状態が続くようであれば、日本の輸出企業の業績下方修正リスクは払しょくされることはない。この点だけは間違えてはならない。

その日本株だが、現在の日経平均株価とドル円は「1万6500円=105円」の関係が存在しているようにみえる。つまり、日経平均株価が1万6500円を超えると、ドル円も105円を超えるというものである。これまでは、ドル円が動けば日本株が動くという関係だったが、最近は日本株のほうが先に動くケースが少なくない。これが従来の関係に戻れば、方向性を見極めやすくなるだろう。

次ページ当面の方向性は来週にはっきりする
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