ポケモンGOがベルリン市民を虜にしたワケ 無数のプレイヤーがスマホ画面に釘付け

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あのポケモンが、日常生活の中のあちらこちらに隠れている――。任天堂が生み出した人気キャラクター「ポケモン」を用いたゲームがドイツでも配信開始となった。ポケモンGOは、プレイヤーがスマートフォン画面で仮想のアニメキャラクターを捕獲するために現実世界を歩いて探索するAR (拡張現実) ゲーム。米国では配信開始からわずか1週間で利用者が6500万人以上を超えている。

ドイツでも、その熱気は同じだ。配信開始からわずか数日で、ベルリンの道路や公園、有名なランドマークは、仮想のポケモンを発見・捕獲しようとするプレイヤー、「アリーナ」と呼ばれる仮想空間で他のポケモンとバトルしようと歩き回るプレイヤーであふれかえっている。

ポケモンGOのプレイヤーであるモニカは「今は、周りの友達みんながこれで遊んでいます」と笑う。「いつもこう言うの。『ポケモン探しに出かけようか』って」。

アリーナの削除を求めることが可能に

しかし、ベルリンのホロコースト記念博物館などのどちらかというと繊細なランドマークにまでデジタルキャラクターを見つけようとスマートフォンに目が釘付けになっているプレイヤーが歩き回る構図というのは、多くの人には受け入れ難いものだ。

ニューヨークのホロコースト記念博物館にあるヘレナルビンスタインホールの入り口ドアの外にいたポケモンを写した画像がオンライン投稿された後、このゲームの開発元はすでにその点について考えざるをえなくなっていた。そして対策を講じている。

ベルリンのコンピュータゲーム博物館のアンドレアス・ランゲ館長は次のように言う。「ベルリンにはホロコーストに関連した敬虔な配慮が求められるランドマークがあります。そのようなランドマークは、周辺にゲームの『アリーナ』がある場合は開発元に連絡して『アリーナ』の削除を求めることができます。確執を避けるためにそういう方法があります」。

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