毒舌ジョンソン氏に英外交トップは務まるか 人種差別的な物言いなど問題発言を連発

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とはいえ、シリア内戦からウクライナ問題に至るまで、世界で最も複雑で手をつけにくい外交危機のいくつかは、ジョンソン氏が対応しなければならないだろう。

野党・自由民主党のティム・ファロン党首は、「この信じられないほど重要な時期に、新首相がジョークを言うしか取り柄のない人物を登用するとは尋常ではない」と語る。

トルコのエルドアン大統領風刺詩コンテストで優勝

最近はこれまでよりも真剣な印象を与えようと努力しているジョンソン氏だが、外相という新たな地位に就いた後も、昔の、といってもまだ忘れられていない自身の冗談に悩まされても不思議はない。

例えばトルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国の1つであり、中東情勢においても、欧州の境界における難民危機においても重要な役割を担っているが、ジョンソン氏がこの国で自身の魅力を発揮することは困難かもしれない。というのも、英誌「スペクテイター」が5月に企画した「エルドアン大統領風刺詩コンテスト」で、ジョンソン氏が優勝しているからだ。

「スペクテイター」誌がこのコンテストを開催したのは、トルコのエルドアン大統領が、自身への批判を封じるために冒涜(ぼうとく)禁止法を乱用している状況に抗議する狙いがある。優勝したジョンソン氏の作品は、「アンカラから来た若い奴 実は根っからの遊び人 悪魔の助けで好き放題 礼も言わずに知らんぷり」なるものだった。

(翻訳:エァクレーレン)

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