トヨタと日産、「究極のエコカー」巡る戦い 燃料電池車の開発で相次ぐ提携

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燃料電池自動車(FCV)をめぐる開発競争が加速している。

1月24日、トヨタ自動車と独BMWグループは、FCVなど次世代技術の共同開発で正式契約を結んだと発表。約1年前に結んだFCV共同開発の基本合意から前進させた。

続く28日には、日産自動車が独ダイムラー、米フォードとFCVの共同開発で合意したと発表。日産はこれまで包括的な戦略提携を結ぶダイムラーとFCV開発でも協力してきたが、ダイムラーはフォードとも心臓部に当たるFCスタックの共同開発に取り組んでおり、今回、日米欧の三極での本格的な共同開発に発展させた。

FCVは、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる燃料電池(FC)を動力源に、モーターで走る一種の電気自動車(EV)だ。発電に際して水しか排出せず、二酸化炭素など環境汚染物質を出さないため「究極のエコカー」と期待される。

リーマンショックでの自動車会社の経営悪化と電池式EVの実用化で、FCVは一時スポットライトから外れた。ただ、電池式EVの持つ航続距離の短さや充電時間の長さといった課題の解決がことのほか高いハードルであることが明らかになり、そうした課題のないFCVへの関心が再び高まっている。

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