武蔵野音大生が人気企業に就職できるワケ みずほ銀行出身者が発掘した学生の魅力

✎ 1〜 ✎ 154 ✎ 155 ✎ 156 ✎ 最新
拡大
縮小
音大生は自分の能力に気づいていないことが多い(写真:SPECIAL WEEK / PIXTA)

2017年新卒採用は6月の選考開始から2カ月弱が過ぎた。大手企業の採用は一段落したものの、採用活動継続中の大手企業は少なくないし、採用意欲満々の中堅優良企業もたくさんある。リクナビ掲載企業は2万3808社もあり(7月14日時点)、就活生にとってまだまだチャンスがあるといえる。

内定を獲得する実力があるのに、自分の強みに気づかず、就活がうまく進まない学生がいる。こうした学生は自分の長所をストレートにアピールせずに、マニュアル本をまねした内容を話して失敗していることが多い。

卒業後に苦労する音大生

就職四季報プラスワンの記事一覧はこちら

そんな自分自身の力に気づかない学生といえば、音楽大学の学生も挙げられるのではないだろうか。「音楽しかやってこなかった」「経済のことなどわからないから一般企業は無理」などと思い込んでいる音大生は多い。

音大の場合、演奏家以外の進路は教員や音楽教室講師が多く、一般企業へ進む学生は多くない。ところが、武蔵野音楽大学ではここ数年、メガバンク、生・損保、総合商社、航空会社などの人気企業へ進む学生が増加している。

2016年3月卒の就職実績で見ると、三井物産1名(前年0)、JR東日本1名(同0)、ANA1名(同1)、JAL1名(同0)、第一生命保険2名(同1)、大日本住友製薬1名(同0)、三井住友銀行1名(同3)といった結果だ。

どうしてこのような変化が起きたのか、武蔵野音大・就職課主任の大内孝夫氏に聞いた。大内氏は慶応義塾大学を卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行、いわき支店長などを務めたあと退職し、2013年に武蔵野音楽大学・就職課に入職した。現在は音楽之友社のホームページで「目からウロコの就活・キャリアQ&A」も連載中だ。

――2015年2月に『「音大卒」は武器になる』を上梓して話題になりました。なぜ、この本を書こうと思ったのですか。

私は約30年間銀行に勤務していましたが、こちらの大学に来てみると「銀行時代にここの学生のような部下がいたら良かったな」と思うことが何回もありました。

次ページ卒業生が進路相談にやってくる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT