分社化、新事業・・・エイチーム「次の一手」 東証1部へ最速上場を果たしたITベンチャーの課題

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1月28日に名古屋の本社で取材した林高生社長(=タイトル下写真=)のコメントを交えながら、エイチームの最前線を分析していく。

2012年春、エイチームはゲームの開発者を1年で倍増の200人へするため、大量採用を開始した。5月に水曜日夜9時から本社会議室で行う会社説明会「水9プロジェクト」を開始。これは隔週にペースを落としたものの、今でも継続中だ。また9月に入ると、名古屋以外では初の開発拠点となる大阪スタジオを開設。さらに本社の入る名古屋ルーセントタワーの別フロアを借り増しすることで開発者を養成する「エイチームキャンプ」を開設した。

このうち、梅田阪急ビルに開設した大阪スタジオは順調に滑り出しているようだ。50名体制に持っていく計画だが、現在は20名。このうち5名が名古屋から派遣しており、現地では15名を採用した。すでにこの下期(2~7月)に向けて1~2本のゲームタイトルを開発中。「ゲーム業界の経験者も3~4名いるが、ほとんどがSI会社で派遣の仕事をしていた方。自分がつくりたいものをつくれるんだ、という喜びにあふれていて、ものすごく明るい雰囲気になっている。大阪の人たちはコミュニケーション能力が高く、団結力も強い」。

キャンプは入校者募集に苦戦

もう一方のエイチームキャンプは、3カ月間、時給800円で未経験者を雇い、プログラミングの基礎から応用までをみっちり伝授するプロジェクト。相思相愛となればキャンプ終了後に契約社員として採用する仕組みだ。「すでに9名を契約社員として採用したが、現場からの評判が非常にいい。このルートでの採用は継続していきたい」。

課題は、知名度が低く、いまいち人気がないこと。9月開始の第1期生こそ23名が入校したものの、10月入校の第2期生は7名に激減。3期生以降は2月まで4カ月連続で5名以下だった。毎月25~30名の入校を想定していたが、その目算を大幅に下回っている。そこで3月入校生の募集は行わず体制を立て直し。4月には25~30名の入校を見込む。「これまでは学校というイメージを強調していたが、時給800円の短期アルバイトという点を前面に押し出すことで、求人誌にも告知していく。人数をしっかり集めるようにしていきたい」。

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