アイリスオーヤマ、来春「白物家電」に参入へ 東洋経済の取材に大山社長が初めて明かした

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2014年から虎視眈々と大型白モノ家電参入への準備を進めてきた。成熟市場で需要を開拓できるか?

撤退が相次ぐ市場に参入する勝算は、一体どこにあるのだろうか。

アイリスオーヤマ(以下アイリス)の大山健太郎社長は、2017年春に大型の白モノ家電に参入することを東洋経済の取材で明らかにした。

アイリスは1971年に創業し、プラスチック収納や園芸商品などを手掛けてきたメーカーだ。2005年ごろから家電に参入し、ホームセンター向けに空気清浄機やシュレッダーなどを販売してきた。2009年にはIHクッキングヒーターやサイクロン掃除機などを発売し、事業に本腰を入れている。

大手メーカーから技術者を獲得

大山社長は今回、東芝の白モノ家電事業の入札に参加していないことも明らかにした

さらに、2014年には大阪の心斎橋に家電事業の開発拠点「大阪R&Dセンター」を稼働。大手メーカーのパナソニックやシャープなど、家電のノウハウを持つ退職者も積極的に採用してきた。

白モノ家電への参入について、大山社長は「(開発拠点を設立した2014年からの)3年でノウハウがついてきた。ようやく白モノに手が付けられる」と語る。

また、さらなる家電事業の強化のために、これまで宮城県と大阪の心斎橋の2拠点だった家電の開発拠点を、大阪に一本化する構えだ。すでに2016年6月には宮城県にいた技術者20名強を大阪に異動させている。アイリスは今後もリストラが相次ぐ大手電機メーカーからの退職者を積極的に採用していく方針だ。

アイリスの家電事業の売上高は、2015年12月期で400億円、今2016年12月期の目標も550億円と大きな規模とは言えない。だが、大山社長は「当社のことだから、倍々に売上を伸ばしていく」と豪語する。大型の白モノ家電の参入によって、事業を一気に拡大する算段だ。

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