日本の会社では「スゴい人」は社長になれない 田原総一朗氏「好きなことを仕事にしよう」

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木本:欧米ほどの格差がないにせよ、日本でも格差が拡がっていますよね。もともと少なかったはずなのに。

田原:うーん。説得力が全然ないな。木本さんは格差の中における勝ち組だからね。

木本:エー。勝ち組ではないですよ。僕の仕事は明日ゼロになるかもしれませんからね。

田原:いまは仕事たくさんあるじゃない。だから、そんな人が格差社会について何かを発言しても迫力がないんだよね。

海外を視野に入れる人が増えてます

木本:でも、地元の大阪の友達が賃金とかで苦労しているのを目のあたりにしていると、その人たちや自分の家族も含めて、すごく不安な気持ちになります。海外留学をさせようとか、海外に視野を向けさせよう、という気分がまわりに蔓延しているんですよ。

田原:だからいま、日本の親たちは教育費におカネをやたらとかけているんだね。塾へ通わせたり、家庭教師を雇ったり。これも格差社会に勝とうとする意識が強いから。でもアメリカやヨーロッパには学習塾がないんですよ。

木本:ないんですか? 家庭教師はいるんですよね?

田原:日本のように普通のサラリーマン家庭までもが、塾に通わせるなんてことはない。

木本:もう、自分の意識で勉強するのが基本なんですね。

田原:その通り。

木本:そういう感覚って、日本で起こっていきますかね?

田原:アメリカの学生は、おカネを借りて大学に通っている。だから卒業後のローン返済は大変なんです。日本はまだまだ親がおカネ出しているケースが多いじゃない。

木本:なかには奨学金もらっている人もいると思いますが、まだまだ親が出すのが当たり前な感覚は残ってますね。この感覚は明日明後日に変わっていくもんじゃないですが、日本もそこに向かうべきなんですね。

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