日本の観光は驚異的に成長できる 2020年、アジアの富裕層は3.5億人

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「グリーンツーリズム」が秘める可能性

日本には、世界に誇れるものが山のようにあります。歴史や文化はもちろん、四季に彩られた豊かな自然、安全で美味しい食、清潔な水や澄んだ空気、治安が良く清潔な街並み、高度な医療、アニメや漫画、規律正しい日本の国民性…と、数え上げるだけできりがありません。私たちにとっては当たり前のことが、外国人にとっては驚きの対象だったりします。

たとえば、あれだけ国土が広大なのに、中国には天然の温泉がほとんどありません。温泉地に長期間滞在して体を癒す「湯治」という考え方そのものが、新鮮に感じられるはずです。外国人の中高年向けに、長期滞在型リゾートをつくり、若い女性向けに美顔・美肌エステなどをやってみてもいいでしょう。

新しい成長産業として期待できる「農業」と組み合わせる手もあります。日本人は農村や里山の風景に郷愁を感じます。実際、そうした付加価値を前面に出したグリーンツーリズムが大人気です。たとえば、美しい棚田の風景で有名な千葉県鴨川市の大山千枚田(おおやませんまいだ)では、田んぼを貸し出す「オーナー制度」が常に満員状態だといいます。棚田の景観を楽しんだり、そのまわりに棲む生き物を観察したりするために、年間3万人もの観光客が訪れると言います。こうした農村型リゾートは、外国人にとっても魅力的であると思うのです。

特に中国は深刻な環境汚染に悩んでおり、水や食の安全が脅かされています。そういう状況下で、富裕層は高価な日本の食べ物をわざわざ取り寄せています。そうした人々に実際の農業の現場を見せることで、日本の食の安全をより強く認識してもらうこともできます。

次ページ狙いは、やっぱりアジアの富裕層だ
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