海上自衛隊がインド洋での活動を止めるとどうなるか?

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海上給油、海上阻止活動の実績

今、2003年5月に海上自衛隊が米補給艦に行なった給油量が、本当は80万ガロンだったのに対し、20万ガロンしか給油しなかったと福田康夫官房長官(当時)が発表したことが問題になっています。これは、外務省・防衛省が自主的に間違いを報告したのではなく、日本の非政府組織がアメリカ政府に情報公開を求めた結果、発覚したのです。 

給油量が、当初の説明であった20万ガロンから4倍の80万ガロンに修正されたということは、給油を受けた米空母が、アフガン作戦だけでなくイラクの作戦に参加し、もしかしたらイラクを爆撃した航空機にも給油された可能性が出てきます。さらに重要な問題は、海上自衛隊は、福田官房長官(当時)が「給油量は20万ガロン」と発言した後すぐに、その発表が誤りであったことを認識しておきながら、それを官房長官に報告しなかったということです。これは文民統制(シビリアンコントロール)上、大きな問題を孕んでいます。

さて、テロ特措法に基づいて海上自衛隊がインド洋上で行なったテロリストや麻薬取引の取り締りの成果を見ると、右表のようになります。正直、大きな成果はないように見えます。実際にここ2年間で具体的な成果は挙げていません。 
 
 また燃料給油の実績をみると、約220億円分の提供を行っています。色々と調べるとやたら高価格の燃料を購入(随意契約)している例もあり、これだけの情報だと本当に実績があったかどうかがよくわかりません。(ただ、220億円が湾岸戦争の時に我が国が拠出した1兆3000億円よりも安いことだけは事実のようです)

しかしながら、アメリカやイギリスに対してどうかというと、アメリカに対しては、3年前から給油の実績はないのです。またイギリスに対しても2006年度に1回給油を行っただけです。

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