竹中直人「いいものは理屈を超える」 「監督・竹中直人」が語る役者哲学

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「1億円やるよ」が監督デビューのきっかけ

――そもそも竹中監督が『無能の人』でデビューしたきっかけとは何だったですか?

五社英雄監督の映画『226』の撮影のときに、奥山さんと食事をしたのですが、そのときに僕が映画の話ばかりしていたんです。「そんなに映画が好きだったら、一本撮ればいいじゃないか、1億出してやるよ」と言われて。

僕は学生時代に映画を撮っていたのですが、初めて監督をやった時は、その学生時代の感覚と同じでした。規模が大きくなっただけで、そこにプロの人たちが集まってくれたという感じでした。だからすごく楽しいひと時でしたね。

――今回で監督作も7作目。役者・竹中直人が出演しない、初めての監督作品となりました。

あえて出ませんでした。演じる役もなかった。今回は出演しなくて本当によかったと思います。出ないとこんなに楽なのかと思いましたよ。今までは自分が監督をしている作品だし、自分をメインにがんがん出ようと思っていましたが、これから、自分が監督をする時は、役者としてはもう絶対に出ないと思います(笑)。

(監督写真クレジット)
スタイリスト:兼子潤子 へアメイク:山内聖子(MARVEE) 撮影:今井康一

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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