竹中直人「いいものは理屈を超える」

「監督・竹中直人」が語る役者哲学

『無能の人』『東京日和』など、俳優のみならず、監督としても活躍する竹中直人の最新作『自縄自縛の私』が2月2日より新宿バルト9、ヒューマントラスト渋谷ほか全国で公開となる。
原作は、新潮社が主催する「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作、蛭田亜紗子による同名小説。多くの読者の共感を呼んだ小説を映画化した本作では、竹中作品ならではの、センチメンタルで繊細な作風はそのままに、細やかでみずみずしいフェミニンな要素を加味して、竹中監督の新境地を見せる。
そんな竹中作品の新たなミューズに抜擢されたのは、映画、ドラマ、舞台などで活躍する平田薫。「自分で自分を縛ることで自分を解き放つ」という複雑な心模様を見事に表現した。
今回は竹中直人監督に、製作の裏側、そして俳優である竹中監督が役者を演出する際に気を付けていることなどについて聞いた。

――本作では、今までの竹中作品の系譜に入るようなセンチメンタリズムや優しい作風は健在です。一方で、原作がR-18文学賞大賞ということもあってか、今までとは違うエロティシズムも感じさせます。竹中監督の中に今までの作品との違いはあったんでしょうか?

人の企画で撮ったのは初めてです。内容も官能的で、確かに今までとはずいぶん違いますね。とはいえ、結局は僕が撮るので、自分の空気感は出てきちゃうのかもしれないですね。

「自縄自縛」を辞書で調べると、ただ自分を縛るというだけでなく、自分の言動や行動などで、自分で自分を追い込んで、がんじがらめにしてしまうような意味もあります。ヒロインの彼女は自分を縛ることで、逆説的に自分を解放していたんだと思います。

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