iOS10、触って使って分かった「意外な真実」 その進化は想像以上にさりげないものだった

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新しい時計アプリには「ベッドタイム」という新機能が追加されており、毎日決まった時間の就寝と起床を手助けしてくれる。普段の就寝時間と起床時間を設定し、就寝時間前には通知が届き、起床時間には専用アラームでの起床を行うことが可能になる。

就寝時間と起床時間は記録され、ヘルスケアアプリの睡眠の項目で確認することができる仕組みだ。より詳細な睡眠の質の分析は活動量計が必要だが、普段の睡眠時間の記録はiPhoneだけで行えるようになる。

新iPhoneではアプリによる自由度がより高まる

これはユーザーというよりは開発者に対するメッセージになるかもしれないが、iOS 10の真価が発揮されるのは、開発者のアプリがiOS 10に対応してからだ、ということが強く感じられた。iOS 10に搭載される機能の充実は、思った以上にさりげないものだったからだ。

使いやすくなったウィジェット画面は、普段よく使うアプリのウィジェットがどんな機能をもたらすかで、大きく印象が変わるし、便利さも変わるだろう。通知にしても、新着通知の小窓の中で、どこまでの作業をユーザーが実現できるかで、アプリの使い方や体験が変わってくる。

また、メッセージや地図、Siriなどのサードパーティーアプリに対応した各機能は、言うまでもなく、どんなアイデアを標準アプリ内に持ち込むかで、便利さや楽しさが変わるだろう。アプリのアイデアの自由度で、ユーザーのiPhoneの使い方そのものが変化するのだ。

同時に、同じメッセージアプリや地図アプリであっても、ユーザーによって使い方が異なる可能性も高い。同じデザインの端末とOSでありながら、使い方に個性が表れてくる。次のiPhoneには、そんな環境が待ち受けているのだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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