米国株市場、S&P総合500が最高値更新 好調な指標など追い風

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 7月11日、米国株式市場は続伸し、S&P総合500種は約1年ぶりに過去最高値を更新して引けた。写真はNY証券取引所のトレーダー(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米国株式市場は続伸し、S&P総合500種は約1年ぶりに過去最高値を更新して引けた。好調な経済指標や米債利回りが低水準で推移していることが、株買いを後押ししている。

S&P総合500種終値のこれまでの最高値は昨年5月21日に付けた2130.82。この日は取引時間中に2143.16まで上昇し、昨年5月20日のザラ場最高値の2134.72も上回った。

ただ、前回の最高値更新以降、最も値上がりしたセクターは公益<.SPLRCU>と通信<.SPLRCL>、生活必需品<.SPLRCS>といったディフェンシブ銘柄で、世界経済が停滞する中で米経済がどこまで底堅さを維持できるのかという投資家の懸念を反映している。配当利回りが高いこれらの銘柄の好成績は、超低水準の債券利回りを背景に債券投資家が株式市場に流入している構図も浮かび上がらせた。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「通常は株価を抑える(債券)利回り上昇が起きていない。これが株高が続いている理由の1つだ」と述べた。

さらにポールセン氏は、8日に発表された6月米雇用統計を含めた強い経済指標や米企業業績の改善期待が相場を支えているとの見方を示した。

ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのマネジングパートナー、トーマス・リー氏は、株価が最高値を更新できる局面で、企業利益が上向き始めようとしているため、投資家は下半期に株式投資拡大に自信を強めると予想。「相場上昇余地はまだたっぷり残っていると思う」と話した。

アルミのアルコア<AA.N>は引け後の第2・四半期決算発表を前に3.3%上昇。実際の決算は減収減益だったが、売上高・利益ともアナリスト予想を上回ったため、時間外取引では4%近く上げた。

騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が2.20対1、ナスダックが2.06対1でいずれも上げが優勢だった。

米取引所の合計出来高は約62億6000万株で過去20営業日平均の78億4000万株を下回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 18226.93 +80.19 +0.44 18161.53 18283.90 18161.53 <.DJI>

前営業日終値 18146.74

ナスダック総合 4988.64 +31.88 +0.64 4976.54 5002.50 4976.54 <.IXIC>

前営業日終値 4956.76

S&P総合500種 2137.16 +7.26 +0.34 2131.72 2143.16 2131.72 <.SPX>

前営業日終値 2129.90

ダウ輸送株20種 7711.91 +28.63 +0.37 <.DJT>

ダウ公共株15種 716.24 -1.13 -0.16 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 708.90 +7.83 +1.12 <.SOX>

VIX指数 13.54 +0.34 +2.58 <.VIX>

S&P一般消費財 643.73 +3.58 +0.56 <.SPLRCD>

S&P素材 295.68 +1.41 +0.48 <.SPLRCM>

S&P工業 500.65 +2.79 +0.56 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 571.45 +0.30 +0.05 <.SPLRCS>

S&P金融 310.82 +1.75 +0.57 <.SPSY>

S&Pエネルギー 509.84 +0.83 +0.16 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 849.42 -1.43 -0.17 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 181.66 -0.15 -0.08 <.SPLRCL>

S&P情報技術 730.94 +4.62 +0.64 <.SPLRCT>

S&P公益事業 266.64 -0.23 -0.08 <.SPLRCU>

NYSE出来高 8.11億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 16145 + 435 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 16070 + 360 大阪比 <0#NIY:>

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